釣果
シロザケ 65~81cm
例年の事だが10月に入ると、各地で鮭有効利用調査が始まりそわそわとした日を送るようになる。
特に今年は八月の水害で大きなダメージを受けている荒川、水害後の惨状を現地で見ているだけに市街地だけでなく河川の復旧状況も大きく気になっていた。
当日はドライブスルー方式での受付を済ませ各自が思い思いのポイントへ、私は地元の漁師さんに一年ぶりに合うこともあり、一番ポイントへ向かった。
ここは流れが中州で分断されていて右岸の一番の流れ込みから水深があるトロ場、左岸よりの2番は早瀬となっていたが、昨年とは打って変わった風景に一抹の不安も走る。
この日は同行者と相談し中州から左岸の2番ポイントを狙う事にした、 鮭専用ロッドのがま渓流「本流スペシャルⅡサーモン」にフロロカーボン5号の通し仕掛け。
事前情報では魚信が渋くハリ掛かりが浅くバレが多いと聞いていたので、鈎は刺さりを優先し早掛アキアジ20号を選択、餌はサンマのニンニク漬けをセット、仕度が終わると数分で7時の調査開始時間となった。
浅場には産卵のために巣穴を掘る鮭の姿も見えるので驚かさないよう水際から離れて探っていく。
鮭の習性を知らない釣り人は、朝から立ち込んでしまい鮭を深場に追い込む事で自ら釣れなくしている事が多い、朝一番ははやる気持ちを抑え静かに釣る事が大事だ、またオス鮭は産卵床の周囲で待機しているため、オスを狙うなら産卵床にいるメス鮭を避けて仕掛けを流す事も必要となる。
定石通りメスの定位する流れよりも強い流れに狙いを定めて細かく探っていると不意に仕掛けが止まった、 すかさず合わせを入れると重量感ある手応え、次に水面へ出て首を振る鮭特有の抵抗に緊張が走る。
竿の角度を水面と平行に抑えて鮭を水中へ潜らすことで魚を落ち着かせる、下竿気味の竿を徐々に引き上げて自分が有利な態勢に持って行き急な疾走にも対応出来るようにやり取りをする。
一年ぶりの鮭の引きを楽しみながら、数分後に取り込んだのは全長77cmのオス鮭、産卵に参加する前なのだろう傷のない綺麗な魚体だった。
幸先良くオス鮭を手にする事が出来たので一休み、同行のGFG東海の内藤君の釣りを見ていたが、鮭釣り二回目にも関わらず仕掛けを綺麗に流している。
朝陽が水面を照らす時間になり彼の竿にも反応が出た、先ずは最初の抵抗(首振り)をしのぎ、魚を落ち着かせるよう声を掛ける、アドバイスを送りながら彼のやり取りを見ていたが、なかなかの対応で鮭を取り込んだ。
横たわった鮭のサイズを測ると私の釣り上げた鮭より1cm大きい全長78cmだった。
その後、私の竿にメス鮭がヒット、内藤君も負けじとメス鮭を掛ける。
水温が上がったのか活性が高くなったようだ、足元の鮭を驚かさないようにしつつ、流れに居るだろうオスを狙うが思うように魚信は出ない。
私の中では初期の「早生鮭」と呼ばれる個体はフワフワと流れる仕掛けに反応するイメージが強いが、オモリを細かく調整し、4Bから1.5号まで変更し色々なパターンを試してみる。
しかし、ヒットしたのはやや軽めのオモリ、4B2個付けで「かけ下がり」を狙っていると不意に魚信が出た。
竿に伝わる手応えはそれまでよりも重く、糸は風を切りヒューヒューと音を立てる、明らかに先程までの個体より大きいと判る魚だ、仕掛けは2本掛けた後で伸びている事を考えると無理なやり取りを避けて、魚にプレッシャーを掛けつつ、走らせないように慎重なものとなる。
「 本流スペシャルⅡサーモン」はパワーはあるが、しなやかな曲がりが鮭を暴れさせないやり取りを可能にしてくれる、じっくりと泳がせ体力奪うと頃合いを見て空気を吸わせる。
緊張の数分間を経て取り込んだのは、シーズン後期に遡上する「オクザケ」タイプの個体で、背っ張りで幅のある魚体は強烈な引きを納得させるものだった、サイズは全長81cm、6.4㎏とこの時期では大きな部類のオス鮭だった。
その後昼食を取りながら2日目のポイント下見に数ヶ所を調査したが、鮭からの返答はなく納竿時間となり終了した。
タックルデータ
- ライン
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フロロカーボン5号通し(タコベイト無し) オモリ4B~1.5号相当
- エサ
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サンマ切り身、イカ短(赤)、他
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