釣果
ニジマス アメマス ヒメマス
10月6日から10日までの5日間、秋真っ盛りの北海道へ行ってまいりました。
野球もですが、渓流釣りもポストシーズン開幕です。今回は親友の吉村政治テスターを含む三重渓流倶楽部の釣友と総勢5名での珍道中となりました。
ここではその後半戦を切り取ってレポートします。
釣行4日目に仲間にわがままを言い、単独で中標津町内を流れる標津川を釣りました。標津川は美しい湿原の川ですがそんなに大きい河川ではありません。ここで出会えるニジマスの美しさにノックアウトされて20年、私にとっては北海道の心のふるさとと言える大好きな河川です。
がま渓流 本流スペシャル2
T1 マスター渓流

大好きな標津川を臨む 湿原の川らしい光景
「クマに警戒しろ、少しでも変なら川へ入るな!」。吉村君から強く言われていたので、藪を漕ぐ本命ポイントは朝一番を避けました。経験ではうっそうとした森を抜ける先にあるポイントのイメージでしたが、大水の影響か藪は一掃されており、見通しが良くなっています。それどころか、入川場所付近に重機が入って護岸工事の真っ最中。クマへの恐怖心はなくなりましたがポイントが無事に残っているのか心配になりました。
かつて藪があったであろう川原を進むとめざすブッツケの淵が見えてきます。対岸には砂利の山が見え、記憶の中の風景とはかなり違う光景がひろがっていました。それでも何とか深みは残っており十分釣りになりそうな雰囲気です。
流れ込んだ水の束が一つにまとまって払い出していますが、そのど真ん中に大きな流木が横たわり、一番の狙いどころを邪魔されているのが残念ですがどうにもなりません。本流スペシャルⅡXXHを伸ばしてゆっくり流れに立ち込みます。淵の一番外側は岩盤で、そのすぐ脇をトレースするように1号錘をぶら下げた仕掛けを送り込みます。

ずっと楽しみにしていた標津川のブッツケの淵
小砂利の川底に錘が転がる感触が伝わります。良いところに入ってくれているようです。数投すると待望のアタリ。煽った竿は大きく曲がります。流木を気にしながらやり取りして岸に寄せました。一発目から50センチ級です。さすがは北海道、これだからやめられません。各ヒレを赤く染めた美しいメスのニジマスでした。
アメマス混じりでニジマスを数匹釣った後でした。目印が上流へ1メートル近く、文字通り「ぶっ飛ぶ」アタリ。アワセるまでもなく魚は乗っています。今度は下手に突っ走り竿が満月に。たまらず2歩ほど下流へスタンスを移して何とかこの引きも耐えました。相手は徐々に上手に差し上がって行きますが姿は全く見えません。竿が立ってテンションが緩んだ隙に一気にUターンして下流へ突進、スッと手応えが軽くなりました。残念無念、鈎外れです。
しばらくポイントを休ませようと流木の下手の流れを探ることにしました。こちらはミミズでは反応が遠く、イクラで川底を転がしながら探っていきます。20㎝程度のニジマスやアメマスが掛かりますが良いサイズの魚からの反応はありません。少しずつスタンスを下流に移し、底が見渡せる浅い開きに差し掛かるところでした。
竿が流れに並行になるほど下流まで仕掛けを送り込んだところで穂先が「ギュンッ」とばかりに水中に引き込まれました。反射的にアワセた竿は起き上がりませんが砂利の上のスタンスだったことが幸いしました。5メートルほど下流へ走って一気に上流側へ竿を倒します。これで何とか矯めを作れ、勝負の土台が出来ました。
相手が水底を潜航して上流へ差し上がるのがぼんやり見えます。かなりの重さですがそこまで引きは強くありません。XXHのパワーが勝り、鮮やかなレッドバンドを見せながらオスのニジマスが水面で横たわるまでさほどの時間を要しませんでした。

標津川の宝石 頬もヒレも紅に染まるニジマス
そっと川岸へ寄せてタモの中へ。取り込んでびっくり。60センチ弱の大物でした。にしては引きが穏やかだったのが不思議です。ははーん、なるほど。私の推理はこうです。さっき上手でサオを絞った姿見ずの大物が実はこの魚で、下流へ下って休んでいたところ流れてきたイクラに本能的に食い付いてしまった‥、きっとそんなところでしょう。
にしても美しい個体です。ある種の神々しさも醸し出す、標津川特有の紅色に染まった頬や各ヒレは時を忘れて見入ってしまいます。いつまでもこの感激を味わわせてくれと願いつつそっと流れに帰しました。

撮影に付き合ってもらったニジマスたち また会おう!
翌日はもう最終日。吉村君と私はほぼ釣行目的を達していたこともありゆっくりとホテルを出発。久しぶりのヒメマスにも会いたかったので陽がしっかり差し込んだ屈斜路湖の水面に二人並んで竿を出しました。ありがたいことに真っ赤な背っぱりのヒメマスも竿を絞ってくれ、釣行の最後を彩ってくれました。
実はここで色んなプチトラブルが発生し、接岸しているヒメマスが逃げ出すほどの大笑いが続いたのですが‥。この様子は吉村君のレポートに詳しいと思いますのでそちらをお楽しみに。
北海道は最高でしたが、一緒に出掛けた仲間も最高でした。良い友と良い釣り。これは人生における最高の妙薬です。また行きたいと強く願うその気持ちが明日への活力になりますね?

中標津の街中から羅臼方面を臨む 冠雪してる‥寒‥
冨田真規の関連レポート
-
NEW2025-10-17
2025年最後の長良川(岐阜県郡上市長良川)
徳俵に脚の掛かった9月29日、ホームグラウンドの長良川で今シーズンを終えようと郡上・白鳥方面へ走りました。 前日の夕方から待望の雨が降り若干の増水はしたであろうと読み込んでの釣行です。今期の長良川はあくまでも私… -
2025-08-25
双六川釣行記(岐阜県飛騨市)
岐阜県の高原川に行ってきました。お盆休みの年中行事なのですが今年の暑さはそれをためらわせるほどのモノでした。インフルエンザ罹患中かと思わせる連日の38℃越えの気温はさすがに釣りバカの足を鈍らせます。しかしながら、バカ中の… -
2024-07-03
高原川・吉田川釣行記(岐阜県飛騨市・郡上市)
数日前の降雨で流量も回復したであろうことを期待して、飛騨市を流れる高原川へ行ってきました。6時少し前に神岡町へ到着。橋の上から見ると朝もやの中に一人、二人‥。かなりの数の釣り人が見えます。ん?なんで?調査不足でした。鮎の… -
2020-08-19
【渓流】冨田真規(岐阜県 中津川市)
ようやく梅雨が明けました。空も高く、雲も夏の形になりました。長かった梅雨の影響で川も高水を維持しています。アマゴの好反応を期待して恵那漁業管内の付知川へ行ってきました。6時少し前に道の駅花街道より少し上手の瀬へ入川しまし…
渓流の関連レポート
-
NEW2025-10-17
2025年最後の長良川(岐阜県郡上市長良川)
徳俵に脚の掛かった9月29日、ホームグラウンドの長良川で今シーズンを終えようと郡上・白鳥方面へ走りました。 前日の夕方から待望の雨が降り若干の増水はしたであろうと読み込んでの釣行です。今期の長良川はあくまでも私… -
NEW2025-10-15
遡上アマゴと挑んだ秋の渓流釣行(木曾川水系)
今年の9月は仕事が忙しくなかなか釣りには行けなかったが最終日は行ける事になった。情報では24日頃には遡上していると聞いていた。今回は自分を含め3人での釣行である。 現地に着いたのは6時頃、結構寒くネックウォー… -
NEW2025-10-15
秋風吹く千曲川へ。(長野県佐久市千曲川)
渓流釣りシーズン最終日となった9月30日、長野県千曲川へ釣行。綺麗な良型アマゴも釣りたいがパワフルに竿を曲げる魚にも会いたいと考え禁漁を迎える千曲川水系のニジマスをターゲットにあわよくば良型のヤマメもと欲張った。気温は1… -
2025-10-06
シーズン最終の桂川へ(山梨県都留市桂川)
山梨県の渓流釣り最終日前日となる9月29日に桂川へ釣行した。今年は桂川への釣行が少なかったのだがシーズン終盤で楽しみたくなり、最終日前日だが平日なら少しは入る場所もあるかと車を走らせた。平日だが人気河川のため釣り人は多く…