釣果
口太グレ46.5㎝1.69kg と38㎝1kg
今まさに、伊豆半島の寒グレは産卵期をむかえている。50センチアップ、尚且つ2キロ越えのグッドなグレを狙うには最高のシーズンである。
ただいつでも行ける訳ではなく、風が強く吹くと渡船できる釣り場が少なくなってしまう。
私にとっては、天気図と睨めっこしながら出撃の機会を伺うのが恒例となっている。
ちょうど3月15日は穏やかな天気になる予報。
狙いの口太グレは産卵期突入で、食い渋り状態であるが行かなきゃ釣れないし、せっかくの好天チャンスを逃さずに西伊豆は田子地区へ釣行することにした。
いつもお世話になる田子港渡船福由丸船長に電話で予約を取り、出船時間は6時なので、5時過ぎには港へ着くようにした。
この日も大勢の寒グレ釣りファンが田子へ来ていた。出船後は船長の指示で各磯へ釣り人を降ろして行く。
私は田子地区の中でも沖にある、雄島周りのヨンボリという、収容人数一人の小さな独立磯へ上げてもらった。
ここは磯周りに沈み根が点在し、水深も7m前後と、浅根の中を釣るポイントとなる。
産卵期の大型口太グレ狙いには打って付けだ。
ここで組んだタックルは、掛けた大型を確実に取る信頼のがま磯インテッサGⅤ1.25号。
大きなアタリが出難いこの時期は、かすかなアタリも逃さずに捉えてくれる繊細な穂先と、浅根の溝の中を逃げようとする魚の走りを止める腰の強さ。
特にこの時期のマストアイテムとなっている。ミチイト1.75号を巻いた2500番フロントドラッグのレバーブレーキタイプリール。
ハリス2号約10m取り、その中に塩田ウキ00号を入れ、ウキ下2ヒロ取った先に掛りすぎ口太6号を結んで仕掛けを組んだ。
水温は18度近くまで上昇。しかし、エサ取りの姿は全く見えないしエサも残る事がほとんどという状況。
そんな時、50〜60m沖に浮きグレが見えたので、ウキをLサイズに変えてダイレクトに狙ってみた。しかし、警戒して食わない。
今度は、潮が流れる先に仕掛けを投入しておき、潮に乗って泳ぐ浮きグレを狙った。
仕掛けが馴染むとすぐにインテッサの穂先を僅かに曲げるアタリが出た。しっかり竿を立ててハリ掛りさせた。
引きからするとそんなに大きくはないが、周りでは竿が曲がっていないので、魚の顔が見られる嬉しさから思わずニヤけてしまう。
思ったよりも大きくて、白子を吹きながら38センチの丸々と太ったグレが上がってきた。その後は、激渋状態となり全く魚が釣れない。
あの手この手の仕掛けを組み、狙いも遠近ポイントを釣るも、魚からの反応はなし。時間ばかりが進んでしまう。
あれこれしているうちにすでに磯上がり時間の16時30分まであと残り30分。その頃には潮が左から右へとやや速く流れ出していた。
ここは無闇にウキを沈る釣り方よりも、確実にアタリがわかる半誘導仕掛けでタナを取って狙う仕掛けに変える判断を下した。
作戦が見事に決まる。7mほど沖に投入した仕掛けが馴染んでウキがシブシブ状態で右へと流れていく。
右沖にある大きな沈み根の先端に仕掛けが差し掛かった時、ウキを一気に沈める強烈なアタリが出た。
すぐに腰を落としラインが根にスレて切れないようにやり取りの体制に入った。
さすがに最初の走りではラインを引きずり出されてしまったが、その後はどんなに魚が走っても一切ラインを出さないやり取りで対応できた。
ロッドのパワー、ミチイト、ハリスの強さと結び、ハリの貫通力と強さ。
全てのバランスがベストパフォーマンスをしてくれた。
この日の船中唯一の45㎝オーバーとなる46.5㎝1.69kgの大型といってもいい口太グレを釣り上げる事ができた。
状況的にはかなりの食い渋り状態であったが、1日粘った甲斐があった嬉しい魚である。
この魚を釣り上げ田子の磯を後にした。
これからのシーズン、食いムラが多くなるが、まだまだ超大型グレが狙える季節。自己記録更新を狙ってみては!





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