SALT WATER

【船】平井 憲(和歌山県 西牟婁郡)

2019-04-05

平井 憲

釣行日2019/02/28 場所和歌山県 西牟婁郡 白浜町 富田浦 袋港(白浜沖)

釣果

オニカサゴ 28cm〜37cm5匹、レンコダイ 5匹、タチウオ 1匹

寒さまだ去りやらず。年間を通してこの時季までは釣り物も少ないが、ここ和歌山白浜沖にもようやく春の声が聞こえ始めた。今回は和歌山県白浜町富田浦袋港が出船基地とする代々丸でこれから釣り時季を迎えるオニカサゴ(イズカサゴ)釣りに白浜沖のポイントにでかけました。水深は150m〜190mです。

オニカサゴはカサゴ目 フサカサゴ科 フサカサゴ属、標準和名は「イズカサゴ」。水深約100〜200mの岩礁の点在する砂泥地に生息します。オニカサゴはカサゴの中でも最もいかつい面立ちで顔からエラとヒレに多数の鋭い毒トゲを持ち、手など体に刺さると猛烈に痛みを伴います。釣り上げた後の鈎外しや持ち帰り後の料理の際は十分に注意しましょう。

この手の釣行にはアイゴバサミやプライヤー等と、料理バサミを携帯して釣り上げた時点でトゲを切り取るのが賢明です。切り取ったトゲも刺さる事があるので注意してきれいに海に流しましょう。

オニカサゴは最大50cm近くまで成長します。一般的な沖釣りでは25cm〜40cmクラスが対象で、30cmクラスがレギュラーサイズ。この魚は成長が遅いので保護のためにも20cm程の小さいものはなるべくリリースするよう心がけてください。オニカサゴは水圧の変化に動じないのでガシラとは違いリリースが可能です。

150m以上の中水深で岩礁のある砂泥地の起伏のあるポイントでの底取りを繰り返す事が多く、手持ち釣りのため150号の錘を乗せてのパワーバランスと持ち疲れが少なく、喰い込みの良い追進性と操作性に優れたがま船 ダイナソー M 1.8mをチョイスしました。

朝5時半に集合し常連さんの4人で6時に出船しました。30分程で白浜沖のポイントに到着。この日は雨風が強く海上はシケ模様でしたが潮はそこそこ動いていようです。水深150〜190mがポイントです。潮の流れと風方向を見て船をコントロールしながら船を流す。暫く水深150mのポイントを探るとアタリが出るものの、顔を見せてくれるのは本命ではなくレンコダイ。船長の判断で2時間程して水深170m〜190mのポイントに移動しました。海上は段々と波も高く悪くなる傾向です。早く本命の鬼退治をしなければと気が焦ります。

船長の合図で先鈎から投入してハリスが伸びたらハリスと天秤が重ならないように天秤を沈めます。水深があるので潮や船の流れで糸フケが出やすいため、乗船人数が多い場合左右の乗船者のラインの出方を注意して糸フケを修正しながら落とします。

海底手前でスプールにブレーキをかけ糸フケを抑え、着底したら完全に糸フケを取り底ダチをします。タナは海底から100cmをキープ。無論、海底は起伏があるので底ダチ、タナ取りは忠実に行います。食いの悪い時はベタ底を這わすように探ります。忠実なタナ取りは誘いにもなり、時々竿を動かしてパターンを変え誘いを入れます。

この魚は上からの落ちて来る餌によく反応する餌待ちタイプ。竿を大きくあおってからゆっくり下げ、上から落ちてくる餌を演出するのも効果があります。竿をあおる事で居食いの察知もできます。

釣り始めて約20分、竿先にゴツゴツと小さく鈍い前アタリ!オニカサゴは中水深100m以上の釣りでは鈎掛かり後の動きが鈍くアタリは小さいことが多い魚です。

一呼吸おいて大きく竿を聞き上げます。「グッ‥グッ‥」と竿に重みの掛かる引き!鈎掛かりを確認して2m程巻き上げます。数十秒ぐらい追い食いを待ってみます!少し重みを感じたとこで聞きアワセて巻き上げます。深場の釣りなので巻き上げは電動ですが、アタリの少ないオニカサゴ。やっと掛けたのだから少しは手持ちで楽しみたい気がします。

巻き上げ途中からは心地よい引きが強まります。オニカサゴ特有の反応です。慎重に巻き上げます。

オニカサゴは水圧の変化に動じないため、水深が半分程を切ってからもこの釣りの醍醐味と言える強い引きが楽しめます。

巻き上がったら天秤、ハリスをたぐります。最初に顔を見せたのは38cmの本命オニカサゴとタチウオのダブル!

オニカサゴは最後の鈎外れが多いので、取り込みはタモ網を使って行うのが無難です。鈎を外す際は慎重にトゲに刺さらないように気を付けます。素手で触らないようにプライヤー等で外しましょう。下顎を持っての扱いは回数を詰んで慣れてからが賢明です。

オニカサゴのトゲに刺さると痛みでその日の釣りが台無しになるので注意しよう。実はこの日、22年振りにオニカサゴの毒トゲに刺さり右手中指から手の甲がパンパン!痛みで頭痛がします。まず火傷しない程度の熱いお湯に手をつけ、血を抜いて毒が回らないように熱処理します。今回は偶然にもお医者さんが同船していたため「麻酔テープ」なる物を巻いていただきました。その後は痛みを耐えての鬼退治となりました。波風とも強まり海上が大荒れとなったため早めに帰港しました。

この日の釣果はオニカサゴ28cm〜37cmを5匹とレンコダイ4匹。そしてタチウオ。生憎のシケ模様とオニカサゴに刺されなければもう少しは釣れたかな!?シケで船が揺れるときはオニカサゴのバス持ちには気を付けましょう。幸い帰港後の船長による処置が良かったため3時間後には痛みが取れ車のハンドルを握ることができました。

これからの中深海のオニカサゴ釣りは数、型共に良くなります。是非釣り味と食味を楽しみにお越しくださいさい。代々丸では落とし込み(アンダーベイト)、深海釣り(キンメ・アコウ等)、そしてジギングを案内しています。オニカサゴ独特の引き味と絶品の旬の味を是非味わってください。

タックルデータ

ロッド

がま船 ダイナソー M 1.8m

オニカサゴ仕掛 夜光バケ鈎仕様(赤)

ライン

PEライン3号、電動リール、片天秤 40cm〜50cm、オモリ 150号

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