GAMAKATSU

大ヤマメ✕長谷川哲哉
聖地利根川坂東堰い挑む

50cmを超える大ヤマメを
9mの本流竿で狙う

坂東太郎の異名を持ち、日本三大暴れ川に数えられる利根川。この川には、はるか太平洋から200㎞もの距離を遡ってくる魚がいる。この魚を本流師は敬意を表し大ヤマメと呼ぶ。

決戦の地は聖地・坂東堰。堰の下流で流れを二分する中州に対し、本流と分流があり分流側に狙いを絞る。早朝5時を過ぎたころから竿を振り始める。百ぺんひと流しと称されるほどの気難しい魚である。居れば食うというようなものではない。1日に1度もないアタリを求め、流心脇の遡上魚が定位するであろう流れに寸分たがわず仕掛けを振り込む。竿は本流スペシャルⅡ XXH90。長谷川が長い年月をかけて鍛え上げた入魂の一作である。

本流ヤマメ師にとっての聖地・利根川坂東堰に挑む長谷川。狙うは50cmを超える大ヤマメ。

遥か太平洋より200km以上を旅してきた好敵手である。

広大な流れではあるが、大ヤマメの着く流れの筋はいくつかしかない。そのひと筋に狙いを絞り、幾度も幾度も、寸分たがわずエサを撃ち込み続ける。

近年の研究で海に降りた個体であることが確認されている。分類上はサクラマスで間違いないが、のべ竿で狙う本流師にとってはやはり大ヤマメである。

朝まずめ。長い戦いの始まりを覚悟して、本流スペシャルⅡ90XXHを伸ばす。

小さなオモリを使って底波をとらえ、流れなりに流すのが長谷川流。流れになじんだ仕掛けは、緩やかな弧を描き、流れを外すことなく流下していく。渓流でも本流でも、その攻めは変わらない。

朝5時過ぎから竿を出し、ドラマなく時間の過ぎ去った12時間。だが、それは夕まずめのための序章に過ぎない。日が傾き、景色がオレンジ色染まるころ38㎝が口を使った。朝から何度も狙った筋である。ここが勝負どころと判断した長谷川は、深くたちこみ本命の筋に仕掛けを流す。アワセとともに襲う強烈な引き。竿を上流に返し、大ヤマメとの勝負が始まった。

時合いとなる夕まずめの一瞬
12時間の沈黙を破り強烈な魚信が長谷川を襲った

本命のアタリがないまま12時間が過ぎたころだった。突如、日が傾いた瞬間を待っていたかのように竿が絞られた。上流に竿を倒し、動きを制す。無理に暴れさせることなく、底波に落ち着かせ、魚の体力を搾る。いけるとみるや素早く浮かせたのは38㎝の大ヤマメである。だが、この魚に納得できない長谷川は、まだ竿を置かない。

この日、幾度目の振り込みであったろう。二本の流れが交わる筋に振り込まれた仕掛けがなじみ底波を捕らえると、流れをはらんだ目印が上波よりもゆったりと流れる。その目印が、上下に揺れた。瞬間、本流スペシャルⅡが大きく弧を描いた。

全力で下流に下る獲物。深くたちこみ、のされてはなるものかとタメて応戦するも、一寸、ヤツが速い。たまらず下流へと走る。2歩、3歩、4歩。これ以上は、下らせまいと瀬尻の大岩前で止める。ここからは我慢比べ。身切れさせず、岩に潜り込ませずに体力を削る。寄せる。掬う。が、届かない。「あせるな」2度目、3度目の寄せを見送り、4度目で勝負に出た。47㎝の見事な大ヤマメであった。

利根川の野生が長谷川を襲う。これが最初で最後のチャンスであることは間違いない。竿はまだ余裕がある。止めるか、下るか。迷う前に足が動く。

がま渓流 本流SPⅡ XXH9.0m

広大な本流域で50㎝オーバーの鱒族と真っ向勝負するためのパワーロッド。軽量で張りがあり、粘りをもあわせもつ次世代カーボンTORAYCA®M40Xをマテリアルに用い、シャキとした張りが振り込みや自然な仕掛けの流下を意のままにし、ひとたび魚が掛かれば独特の粘りが衝撃を吸収し、魚をいなす。大ヤマメや大イワナはもちろん、70㎝級のニジマスやブラウントラウトもターゲット。