GAMAKATSU

高速瀬釣りロッド 待望のデビュー
素早く浮かせて抜くことをとことん突き詰め、スピーディーかつスポーティーに瀬の鮎を攻める「がま鮎パワースペシャルⅤ」。開発に携わった3人が、そのポテンシャルを明かす。
野嶋玉造

のじま・たまぞう

地元利根川の激流で腕を磨く。1986年に出場したG杯決勝では九頭竜川の激流に立ち込み2時間88尾という未だ破られることのない驚異的な釣果を叩き出した。70歳を過ぎた今も全国の激流河川に出かけて大鮎に挑む。

田嶋剛

たじま・つよし

野嶋玉造に師事し、全国の激流河川を釣り歩く。強靱な体幹とフットワークで流れに立ち込みダイナミックな釣りを展開。面倒見のよい兄貴肌で後進の育成にも尽力する。鮎釣りのノウハウをYouTube「田嶋剛の鮎釣り塾」で発信中。

長谷川哲哉

はせがわ・てつや

田嶋同様に野嶋のもとで研鑽を積む。激流だけでなくチャラ瀬やトロ場の泳がせ釣りでも鮎を手玉に取る「上州のテクニシャン」。釣技はもちろん、ハリなど仕掛けについての造詣も深く理論的で分かりやすい解説に定評がある。

より早く、大きく、たくさん釣るためのパワーと
“オートマチック感”を強化

引きの強さは数ある釣魚の中でもトップクラス。とりわけ流れに乗って一気に疾走する瀬の鮎は強烈だ。初めて経験した人は度肝を抜かれ、それを味わったが最後、魅力にあらがうことはできないだろう。近年の鮎釣りは、全国的にシーズン後半に追いがよくなる傾向にあり、大きく成長した魚を相手にすることが少なくない。そうした状況下、よりパワフルな鮎を求めて流れに立ち込み、テンポよく探っては掛けた鮎を素早く引き抜くスピード感あふれる瀬釣りの人気が高まっている。

そんなエキサイティングな瀬釣りに燃える鮎師の、より早く、大きく、たくさん釣りたいという欲求を満たしてくれるのがNEWロッド「がま鮎パワースペシャルⅤ」だ。

「今回の竿は抜くことに特化した設計なんですよ。抜くってことは、川底で掛かった魚を水面まで持ってくる力がとても大事なんだけど、水面まで浮かせるのは竿の力。ここは釣り人の技量ではどうにもなんない。浮かせる力が弱い竿だと流れの中にどんどん入っていかれちゃって、そうこうしているうちにハリが掛かったところのキズがデカくなってくる。それを抜こうとするとバレるんだよね。大事なのは早く浮かせること。そのためのパワーが必要なんだよ」

野嶋は語る。従来の同じ弾性率のカーボンより強度に優れるTORAYCA®M40Xを適所に使い、穂先から#3にかけて軽量化された新PCS(パワークロスシステム)の採用により、力がない人でものされにくいバランスを実現。それでいて、前作からパワーアップしているので、竿を立てれば川底から水面まで素早く浮かせて、あっという間に抜く態勢に入れる“オートマチック感”を強化し、より多くの釣り人が瀬での大鮎を楽しめる竿に仕上がった。

一気に浮かせて抜ける早さは痛快

オトリの引き感覚も格段に向上
あっという間に浮かせて飛んでくる

パワースペシャルⅤは、引抜早瀬(9m)、引抜急瀬(9m、9.5m)、引抜荒瀬(9m、10m)をラインナップする。

「競技ロッドのような使用感」と長谷川が表現する引抜早瀬は、軽くて操作性にも優れた一本。

「九頭竜川の飯島の瀬でテストをやったんだけど、強い流れの中から27、28cmがしゅーっと簡単に浮いてきたんだよ。これはもうどこも触るなってね、一発OKだったよ」と野嶋が絶賛する。パワーも折り紙付きだ。

「引抜早瀬は中小規模の河川なら25センチクラスまでを、抜きでのキャッチングでも振り子抜きでもオールマイティーに使えます。九頭竜川や神通川のような大きな河川で、オモリを使って一段深いところや速い流れを釣るなら引抜急瀬がおすすめ。強さがあるのでオトリを狙ったところへ素早く引き込め、野鮎が掛かったあとも余裕を持ったやり取りができますね」と話すのは田嶋だ。そして尺鮎を視野に入れて九州方面などを攻めるなら迷わず引抜荒瀬の選択となる。

「いままでの強い竿って曲がらないから反発があって強いって感覚だったんですけど、今回は引抜急瀬も引抜荒瀬もオトリを引いているときに、竿がけっこう曲がるんですよね。曲がるからオトリの操作がものすごく楽で、オトリの弱りも違います」という長谷川に、さらに詳しく説明してもらおう。

「穂先があんまり曲がらないと、竿がオトリの動きを吸収しないんですよ。要はまったく、しならない竿でオトリを引いている感覚。だからものすごく繊細にオトリを操作しないと早く弱ってしまったり、きれいに泳いでいなかったりする。それが今回のパワースペシャルⅤは、オトリを引いただけで竿先が程よく曲がってくれるので、引き感覚が格段によくなった。荒い瀬の中でもオトリを操作しながら泳がせることができるんですよ」

引き釣りだけでなく、止め泳がせなどの繊細な釣りがしやすくなったことでヒット率がアップする。そして鮎がヒットすれば、竿を立てているだけで、自分が引き抜きしやすい範囲内に魚が浮いてきて飛んでくるのだ。

「取り込むときにハナカンの上をつまもうとすると、掛かり鮎の最後の抵抗で水中に突っ込まれる竿がけっこうあるんですが、この竿はそんなもたつきがない。それと重量バランスがすごくいいので、自重はあるんだけど持ち重り感がないんですよ」とは田嶋だが、こうしたこだわりもスピーディーな瀬の釣りを強力にアシストする。

さて、がま鮎のパワーロッドとしては、パワースペシャルとともに高い人気を誇る「パワーソニック」がある。「後期の大鮎や絞り込みの瀬肩等で掛けてはバラし掛けてはバラしするのを見ていて、そういう人たちがデカい鮎を取れる竿を作ろうと思ったんだよ」と野嶋が話すように、たとえ下竿で大鮎が掛かっても、のされることのないしなやかな曲がりと強靱な粘りが特徴だ。パワースペシャルⅤとの使用感や使い分けはどうなのか3人は語る。

「ソニックとスペシャルでは浮かせてくる時間が違うんだよ。曲がり込んだ竿がゆっくり戻りながらじわりじわりと浮かせてくるのがソニックで浮かせた後も柔軟性がある分寄せもしやすい。スペシャルは浮かせる時間がとにかく早いし抜きも早いよね」(野嶋)。

「典型的な違いは、簡単にいうとスペシャルは張りが強く必要以上に曲がらない。全体が強い。ソニックはすごくしなやかで、じっくりためながら抜いたり寄せたりという釣りに向いています。ソニックよりも高速に作業して抜きたい人はスペシャルですね」(田嶋)。

「ソニックはそこまで強い力を入れなくても、竿が掛かり鮎の泳ぎをしっかりコントロールしてくれるので取り込みやすい。スペシャルはしっかりと釣り師が竿の角度を保って立てていると、あっという間に浮かせて抜いてくれますよ」(長谷川)。

なお、パワースペシャルⅤには圧倒的な感度に優れたテクノチタントップを標準装備。替穂として10cm短いチューブラーのパワー穂先が付属する。穂先の特徴やセレクトは次項をご覧いただきたい。

パワースペシャル

張りが強く必要以上に曲がり込まない。魚の引きに対して釣り師がしっかりしぼることで圧倒的なパワーを発揮する。

パワーソニック

しなやかに曲がって竿が引きに柔軟に対応する。釣り師が竿を持っているだけで、竿の角度が整えられ、掛かり鮎を浮かせて来る。

アップテンポに瀬の鮎を攻略

水面に浮くやいなや2尾の鮎が飛んでくる。初めて目にした人はその早さに驚かされるに違いない

引抜急瀬+オモリで大鮎をゲット

九頭竜川の飯島で25㎝オーバーを仕留める田嶋。「パワースペシャルⅤはスピード感あふれる釣りが楽しめます。パワーで早く抜きたい人に最高の仕上がりですよ」

こだわった抜き100%

「竿を立てたら、しゅーっと抜けてくる。パワースペシャルはこの早さがすごいんだよ」

オトリの操作性も格段によくなったことで、より多くのアタリを導いてくれる

Special Talk
野嶋が聞く、2人が答える ポテンシャルをとことん引き出す

「引抜早瀬で25㎝が抜けるんだもん。
いままでにねえ竿だんべ」

「感度を上げたことでオトリが追われているとかの
ワクワク感も高まりましたね」

「テクノチタントップなら
瀬の中の止め泳がせもばっちりですよ」

“荒瀬感“を感じさせない
操作性がいい

野嶋

パワースペシャルⅤのテストをしてきて、それぞれにOK出したわけだ。俺の場合特に印象に残っているのが、引抜早瀬のテスト。九頭竜川でやったんだけど、あの流れの中から27~28cmがきゅーっと簡単に浮いてきたんだよ。もう触るなっていったけど、それぞれOKを出したのはなぜだ?

長谷川

従来のパワースペシャルはすごく剛竿ってイメージが強かったんですけど、今回の竿は競技系の竿を使っているんじゃないかなって思うくらい取り回しがいい。それでいて野鮎が掛かって竿を立てれば底から水面まで浮かせてきてぶーんと抜いてくるオートマチック感が強化されている。引抜早瀬、引抜急瀬、引抜荒瀬のすべてで今までのパワースペシャルを使っているのとはまったく違う次元で、格段によくなりましたからね。そのオートマチック感と絶対の強度です。破損強度はがまかつの竿の中で最強ですからね。

田嶋

基本コンセプトは、パワースペシャルⅣの2ランク上を目指したいと開発者にはいってました。オートマチック感をもっと出せるように。掛かり鮎を抜いてくるには、予定通りに竿が浮かしてくれないとダメなんで、そこがよかったってこと。あとは開発者がすごくこだわってくれたから、先重りにならなかったので、重量はあるんですけど“持った感”はめちゃくちゃ軽い。特に引抜荒瀬は、引抜急瀬の胴調子だって俺はずっといってるんですけど、荒瀬感がほとんどなくてものすごく操作性がいい。パワースペシャルⅤは、操作性はいい、感度もいい、強度は体感2ランク上。もう申し分ないからOK出しています。

早く胴に乗ることでパワーが出る

野嶋

OKを出す前に、俺とお前たちで意見が合わなかった点が1個ある。俺は感度がよすぎるからいやだと。でもお前たちの意見をのんだ。感度の部分はどうだい。

田嶋

親父の手は超感度だからさ。親父がすげえ分かるっていうレベルでも、俺たち全然分かんないから。今回のⅤは俺たちでもよく分かる感度になってます(笑)。ただ、それほどガリガリガリガリするほどではないですけどね。

野嶋

俺はね、早く分かりすぎるのはいやなんだよ。もう少しゆっくりめがいい。感度がよくて分かりすぎるとハリにしっかり乗らないうちに竿を立てちゃうんだよ。するとバレちゃう。だから、しっかりハリに掛かったのが分かるくらいがいいんだけど、そこは時代が違うからしょうがないよね。それじゃあ、穂先についてはどうだい。

長谷川

状況によって使い分けていただくといい。盛期の元気のいいアユを釣りたいとか、オモリを付けたいっていうときはチューブラーのパワー穂先を付けてやり取りしていただければいいですね。止め泳がせとか、ちょっと操作性を重視して感度で釣りたいってときはテクノチタントップを付けると、完全に感度が上がるので、やりやすいと思います。

野嶋

田嶋はどう使い分けるんだ?

田嶋

パワー穂先ってのは10cm短くなるんですよ。どの竿でも。たとえば9mなら8.9m、9.5mだと9.4m、10mだと9.9m。そうすることによって早く胴に乗ってくるのでよりパワーが出る。竿の胴の方が曲がってくれると抜き上げる力が強くなる。だから、感度重視でいく場合はテクノチタントップを使ってもらう。水中糸は「メタストリーム」を張ってもらえればさらに感度が上がります。シューッとオトリが泳いでいって、追う魚がいるとコンコンと伝わってくるので面白いと思うんですよ。
釣れなくても水の中の状況がよく分かるでしょ。すると、おっ、これ追うやつがいるのかなとか、もうくるんじゃないかなっていうワクワク感が感度によって生まれてくるから、そういうことが重要じゃないですかっていってるんですけど、親父はうるさすぎるからイヤだっていうんだもん(笑)。

野嶋

俺はよく分かんねえんだもん。申し訳ないけど穂先の使い分けをどうだって、思ったことないもん。付いてる穂先を使う(笑)。

田嶋

感度重視ならテクノチタントップ、オートマチックに楽しみたいならパワー穂先にしてもらえればいいですね。

慣れない人はワンランク上の調子を

野嶋

それじゃ、何を基準に引抜早瀬にするのか、引抜急瀬にするのか、引抜荒瀬にするのか。一般の釣り人はどうやって選んでもらえばいい?

田嶋

野鮎が25cmや26cmであっても中規模や小規模河川であれば引抜早瀬。使いこなしがすごく楽だし感度もすごくよく出ているので引抜早瀬で十分対応できます。また、九頭竜川くらいの規模の川なら魚が23cmから25cmであっても引抜急瀬を使った方がやりやすい。結局重めのオモリを背負わせなきゃならないので引抜急瀬くらいがいいと思います。それ以上のサイズを九州なんかに狙いに行く場合は引抜荒瀬が使いやすいと思います。

長谷川

俺は魚のサイズでいいと思います。サイズ別に23cmくらいまでなら引抜早瀬、25cmくらいまでなら引抜急瀬、27、28cmから上になったら引抜荒瀬。これでオートマチックに竿を立てて我慢していたらぶーんと出てくるんだから。

野嶋

ひとつプラスすると、今回の引抜早瀬は異常な竿だよ。いまのトータル的な話はそれでいいけど、パワースペシャルの引抜早瀬はどこまでいける?

田嶋

そら寄せで取るなら尺でも大丈夫だよ。

野嶋

抜きだよ。抜くってことが前提では?

田嶋

抜くってことだと25cmくらいまでだと思ってます。

野嶋

早瀬で25cmが抜けるって異常だんべ。いままでにねえ竿だぜ。いままでの早瀬だったら抜けるサイズは22、23cmまで。要するにいままでの竿に比べてワンランク上まで対応できますよってのがパワースペシャルⅤだからね。

田嶋

付け加えるなら、それほど竿を曲げることがまだまだできないよって人は、ワンランク上を選んでもらうことで、自分が思っているよりも簡単に魚を浮かせたり抜いたりできますよってことは伝えたいですね。 瀬の釣りでは魚がデカくなってくると、ものすごい勢いで沖に出ていくので、なかなか止められないんですよ。引抜早瀬よりも引抜急瀬、引抜急瀬よりも引抜荒瀬というようにワンランク上の竿で止めさえすれば、バチャンバチャンバチャンと浮いてくる。 そういう意味でワンランク上の竿を選んでもらいたいです。 こんなに早く抜けるんだってびっくりしますよ。あと大鮎用のハリ「メガ要」も同時に出てくるので、それとセットで使ってもらうとパワー系の大鮎釣りがより快適に楽しめると思います。

撮影は8月下旬、福井県九頭竜川の飯島。増水後の引き水を攻めた

慣れない人はワンランク上の調子を選ぶことで、より簡単に浮かせて抜くことができる

テクノチタントップとカーボンチューブラーのパワー穂先をうまく使い分ければ釣果アップは間違いない

従来のパワーロッドにはない取り回しのよさにも注目

がま鮎 パワースペシャル5 製品情報