「遠くへ飛ばせば飛ばすほど未知の世界じゃないですか。手つかずのスレていない魚が付いている沖の根や普段は届かない潮筋が直接狙える。それがカゴ釣りの一番の魅力ですよ」
と語る鷲尾純が「がま磯カゴスペシャルⅤ」の最終テストに訪れたのは、九州最南端の鹿児島県佐多。
強風が吹き荒れる中、NEWロッドが秘めるポテンシャルの高さを垣間見た。
鷲尾 純わしお・じゅん
カゴ釣りのメッカ、静岡県伊豆半島で腕を磨き、大型のマダイやグレ、青物などをマルチに楽しむ。釣り具チェーン店に勤め2025年に鹿児島へ居を移しカゴ釣りの可能性を探る日々。フカセ釣りも得意でG杯グレの全国大会へ出場経験あり。その他鮎釣りや船釣りなど幅広い釣りに精通する。
太糸でも飛距離が伸びる
ベイトモデルを選択
大隅半島の先端に位置する佐多は潮通しがよくグレや青物、石鯛にクエなどの魚影が豊富。グレは50cmオーバーの尾長が珍しくなく、ロクマルの実績もある。今回は、そんな尾長グレやイサキ、ハガツオやソウダガツオなどの回遊魚をカゴ釣りで狙う作戦だ。
低気圧のウネリが残り、雨あとの北西風も強い。半島西側の巣の瀬を狙っていたが、波が高くて上がれず、東磯の横瀬に渡礁した。
「フカセ釣りと違ってカゴ釣りは1回に撒く餌の量が少ないので、テンポのいい打ち返しが大事。竿に求められるのは、遠くへ飛ばす反発力と狙ったところへ打ち込むコントロール性能。そして魚が掛かればしっかり曲がりつつ浮かせるパワーですね」
そうした要素を高次元で融合し、誰でも使いやすい調子に仕上げたのが、がま磯カゴスペシャルⅤだ。チョイスしたのはB4-53。
「ベイトは、直線状にラインが出ていくので太糸でもよく飛ぶし、糸ヨレなどのトラブルも少ない」
カゴスペシャルVはスピニングとベイトの2モデルがあり、号数展開も豊富で投げるカゴや対象魚に応じて選べる。それぞれ3機種をラインナップ。
ベイトモデルにはTA、TMガイド(上)、スピニングモデルにはKMKWガイドを採用しスムーズな糸抜けを実現している。
横風をものともしない投げ心地
まき餌の中から拾ったサシ餌を鈎に刺し、ウキからカゴまでの遊動部分を1ヒロ取ってオーバースローでキャストすると、スプールが逆転回転するキューンという気持ちいい音を響かせながら仕掛はぶっ飛んでいく。左からの強風に吹かれながらも、余分な糸フケが出ることなく、50mほど沖に仕掛は着水した。
この日は1人の釣りなのでまずはまき餌を効かせるために1分ほどで打ち返していく。3投目にサシ餌が取られ、6投目にウキがスポンと消し込まれた。あっという間に取り込んだのは30cmほどのグルクン(タカサゴ)。
8時を回り潮が右に変わり始めた。そして流れが速くなってきた50分、スポーンとウキが消し込み力強い引きが竿を曲げ込む。しかし竿が跳ね上がってしまった。
「喰いが悪いからハリスを2.5号に落としたら鈎を呑まれました。尾長だと思います」
口元に鈎を掛けるため、アジャストグレ6.5号にチェンジ。そして9時20分にアタリ。まずまずの手応えを楽しみながら寄せてくると、突然何かが獲物に喰いつき強烈な走りで鈎が伸ばされてしまった。正体は分からないが、とんでもなくデカい魚であることは間違いない。残念。
鷲尾の仕掛。カゴはテンビンにセットし、ショック切れを防ぐ1.5mm径のクッションを使う。
視認性が抜群に良い鷲尾自作のウキ。これがスポーンと消し込むのだから見ているだけでも楽しい。
太い道糸でも直線状に放出されるベイトリール。6号が200m巻ける6500番。
サシ餌のオキアミになじむファインピンクカラーのカゴSPⅡは不意の大物にも負けない太軸設計。
焼肉用のトングを使うとまき餌をカゴに入れやすい。狙いのタナでスムーズに出るようにふわっと入れるのがコツ。
まき餌の上にサシ餌を乗せてフタをする。狙いのタナに到達するとカゴが開いてまき餌とサシ餌が放出されて同調。上層に餌取りがいてもそれを突破してくれる。
初日の朝に上がった横根。東からのウネリによってサラシが広がる中、50mラインの潮筋を狙っていった。
沖縄の県魚グルクン(タカサゴ)も喰ってきた。これもおいしい魚だ。
70m沖の潮目でイサキを連発
10時の見回り船でビロー島へ磯変わり。潮は右沖から左へ流れ、右側の足元からは大きなサラシが広がっている。鷲尾は70m沖の潮目に照準した。横瀬よりもさらに強い風が左から吹き荒れているが、仕掛が着水した瞬間に穂先を風上に倒してさっと引き、ラインを一直線に張ってから送り込むことでサシ餌先行の形を作る。
「風の強い日は、ラインメンディングが欠かせません。放ったらかしにすると道糸が仕掛を引っ張ってしまうからです。カゴスペシャルⅤは軽いので片手で微妙なライン操作も楽にできますね」
仕掛がなじんでしばらくするとウキが消し込みイサキがヒット。はるか沖に浮かぶウキが一瞬にして消える様は爽快で、カゴ釣りならではの光景だ。こうしてイサキを連発して初日は終了した。
飛距離が出るほど
広がる可能性
ウキが消し込むやいなや大きく竿をあおってアワセを入れる。
10時の見回り船で移ったビロー島では70mラインの潮目を攻めていった。
ビロー島では沖の潮目で良型のイサキが連発。丸々とおいしそうな個体ばかりだった。
きれいに曲がって引きを吸収
風が落ちた2日目は東側の平瀬に渡礁。
「シケてくるので11 時までが勝負」と船長。南へ向けて潮がゴンゴンに流れており、ロケーションは最高だ。70mほど沖の潮筋を狙うと一投目からサシ餌が取られる。昨日よりも活性はあるようだ。
しかしすぐに手前の潮が右に巻きだし、仕掛のなじみが悪いのかサシ餌が残り出した。カゴから1ヒロのところに付けていたウキ止めを2ヒロまで深くして打ち返す。
そして7時35分、スポーンと気持ちいいウキ入れに続き横方向へシャープな走り。それをカゴスペシャルⅤのきれいな曲がりが余裕で受け止める。じっくり引きを楽しみタモに入れたのはミドルクラスのツムブリだ。
「継ぎ目の硬い竿だと曲がり込んでいく途中にカツカツといった違和感があるのですが、カゴスペシャルVは継ぎ目がしなやかなので、スムーズにきれいに曲がって引きを吸収する感じがすごくありますね。ツムブリの横走りにも竿の曲がりでいなしてくれるので楽にやり取りできました」
さらなる大物を期待したが、海がシケ出し早めの撤収となった。
「カゴスペシャルⅤはクセがなくて誰でも投げやすいし、ワンピースロッドのように曲がりがスムーズで飛距離が出る。追い風だと120mぐらい飛ぶ感じがしました。これからカゴ釣りを始める人はもちろん、普段は硬い竿で遠投している人や、軟らかい竿で引きを楽しまれている方でも、満足していただける仕上がりだと思います」
2日目に上がった平瀬ではツムブリをゲット。シャープな引きを楽しませてくれた。