GAMAKATSU

丸々肥えた40cmの尾長グレを片手で掲げ、満面の笑みを見せる久保野

精度高く潮の変化を狙い撃ちヒットチャンスを逃さない

先進の胴調子が生む
ミドル尾長の新たな序章

喰い出しが遅れている今期、30cm後半が良くて数尾、ボウズもありうるとの情報だったが、張りのある胴調子が実現する軽快な操作性を駆使し、めまぐるしく変わる潮の中からピンポイントを狙い撃ちして40cmを超える尾長グレを仕留めていく久保野孝太郎。三重県尾鷲で魅せた「がま磯グレスペシャルT」の最終テストの模様をお届けしよう。

久保野孝太郎 写真

久保野孝太郎くぼの・こうたろう

0ウキを使った繊細な仕掛を、状況に応じて全遊動と半遊動で使い分け、喰い渋るグレを仕留めるエキスパート。第22回G杯争奪全日本がま磯(グレ)釣選手権で、関東勢初の優勝を果たす。ホームは静岡県伊豆半島。がまかつテクニカルインストラクター。

がま磯グレスペシャルT 竿に刻印されたロゴ部分の画像

黒塗りロッドで挑んだ2025年夏in新潟県佐渡島

佐渡島北岸中央の高千地区の沖の巫女の風景写真

佐渡島北岸中央の高千地区の沖の巫女。グレ釣りで注目を集める磯だ。

大きく弧を描く竿を操作する久保野

グレスペシャルTプロトモデルの胴に乗せて間合いを詰めていく。4番が働いて操作性は先調子に劣らないと納得の久保野。

44.5cmのグレを両手に持ち、笑顔の久保野

最長寸44.5cmにしてやったり。近年の佐渡はこのクラスが増えている。

事前情報を覆し
三重県尾鷲のぽってり尾長を
Tで制す

半夜で挑む立神の高場

初日のステージは尾鷲湾口南側に位置する名礁、立神の高場。2026年5月下旬のこの日は、昼から夕方いっぱいまで狙える“半夜釣り”でのチャレンジだ。天気はよいものの東寄りの風が強くてウネリがあり、足元右側からは時折大きなサラシが広がっていく。さらに右沖から当てた潮が左に流れており、釣りやすい状況ではなさそうだ。

ロッドケースの中から久保野が選んだのはグレスペシャルT1.25号の5m。口太狙いにまじるミドルクラスの尾長に照準し開発されたグレスペシャルTの中でも、もっともライトな1本だ。道糸1.75号にハリス2号2ヒロ半を直結。鈎は、口太と尾長が混在するフィールドで、繊細に口太を狙いながらも尾長の口元をとらえるアジャストグレの6.5号。ウキはG0、直結部の下にG5を1つ打った。

「状況がよくないので、よりテクニカルな釣りをするための選択です。アタリの出方によってはハリスを2.5号に、いいサイズが喰うのであれば、竿も道糸も上げていこうと思います」

グレが喰うのであれば無理に細い仕掛を使わない。獲れないリスクを増やすのではなく、確実性を高めていくのが久保野のスタイルだ。

「かっこいい仕上がりになりましたね」

製品版の塗装が施された最終プロトを手に久保野はつぶやく。

2025年7月には黒塗り(リールシートやガイドなど製品版とは異なるパーツが付いた無塗装の状態)のプロトロッドで新潟県佐渡に挑み、44.5cmを頭に40cmオーバーの尾長を数尾仕留めた。

「腰だめで竿の4番が効いて魚が獲れる。それでいて先調子に劣らない操作性」。そう話していたロッドに塗装が施され、正式なパーツが付いた最終プロトが、どのような仕上がりになっているのか、久保野はそれを確認したかったのだ。

立神の高場を海側から撮影した写真

立神の高場。グレの魚影は申し分なし。

立神の高場に立ち竿を振るう久保野と、潮の様子

尾鷲湾口南側に位置する立神の高場は潮の流れが複雑で刻々と変わる。仕掛が入ってしっかりなじむ場所を見極め的確にアプローチしないと釣果は伸びない。

グレの口元にしっかりと掛かるピンク色の鈎

今回のロケではアジャストグレと口元尾長のファインピンクを使用。掛かり所がよく見えるので取り込みも優位におこなえる。

5m感覚で使える軽い5.3m

釣り開始は12時45分。足元にまき餌を打つとシラコダイがわいてくる。竿2本ほど前に打ったまき餌に仕掛を合わせると、サシ餌が取られた。2投目はもう少し沖へ。ウキ下のマーカーがかなりの速さで左へ流されており、上滑りがひどい様子。案の定、サシ餌はそのままだ。

「潮が速くなってきましたね。沖の感じが変わった」と話しながら、小さなヨレを探して打ち返す。そして5投目、スーッとウキが引き込まれた。小気味よい締め込みを楽しませてくれたのは32〜33cmの真っ茶色な尾長グレ。そして10分後に同型を追加した。

「上潮に仕掛が飛ばされるときは喰わない。うまく仕掛がハマったときに喰う感じですね」

潮の角度がころころと変わり、一投ごとに仕掛のなじむ場所が変わる。サシ餌先行で入っていくところをいかに見つけるかがカギようだ。

13時40分、右側のサラシと沖からの潮がぶつかり、いい感じの潮目ができた。そこで仕掛を張っていると、スパーンとウキが消える強烈なアタリ。しかしながらラインブレイク。

事前情報に反してグレの喰い気はあると判断した久保野は、竿を1.5号5.3m、道糸2.25号、ハリス2.5号、アジャストグレ7号にチェンジした。

「グレスペシャルTは、本当に大丈夫? って思うぐらい軽いんですよ。僕は普段、自分が楽なように5mを使うんだけど、グレスペシャルTの5.3mは持ち重りが減って操作性がいいので全然気にならない。5.3mはトルクがあって掛けたあと止めにいく安心感が大きいですからね」

グレスペシャルTの「1.5号5.3m」表記が刻印されている部分

尾長グレの喰い気はあると判断し1.25号5mから1.5号5.3mにチェンジ。それによりやり取りに余裕が生まれる。

竿を右手に持ったまま、左手でまきーなファインスペシャルⅢを使用しまき餌を行う久保野

まきーなファインスペシャルⅢで意のままにまき餌をコントロール。

片手で竿を振る久保野

自重が軽いうえ持ち重り感もないため片手でコントロール良くキャストが可能だ。

強くてもしっかり曲がる

14時に釣りを再開すると、すぐに32〜33cmの尾長がヒット。続けて喰わせたのは、これまでよりも明らかに強い引きをみせた38cmの尾長だった。

「竿を1.5号に強くしたからといって硬くなるわけじゃない。しっかり曲がってトルクが強くなるので、余裕を持ってやり取りができますね」

さらに5分後、正面やや右沖の潮目でウキを引き込むアタリが出た。刹那のアワセを叩き込み、竿尻をお腹に当ててためる。竿の継ぎ目を感じさせないウルトラASD搭載のブランクがワンピースロッドのような弧を描き、走りが止まるやいなやぎゅーんと起こしてくる。やがてタモに収めたのは40cmの尾長だった。

「潮はまだぶっつけなんだけど、潮の角度が変わったり磯に当たったあとの跳ね返りが変わって潮目が沖に出たり手前に寄ったり上滑りしたり。毎投一番入れやすそうなところを探して入れて、道糸を緩めておくと入る場所があるんだけど、そのまま緩めっぱなしだと入り過ぎるので、糸を張って待つ感じ。タナは3ヒロぐらいですね」

釣り上げた尾長グレをタモ網に収める様子

尾鷲の尾長グレはでっぷり肥えて重量感もたっぷり。釣って楽しく食べてもおいしいから人気なのだ。

大きくまた美しい弧を描く竿を引き操作する久保野

ウルトラASDを搭載しワンピースロッドのような曲がりを見せる。尾長グレを怒らせることなく力を奪うのだ。

大きな弧を描く竿を操作する久保野

竿尻を下腹に当てて4番をしっかり曲げ込むことでTの粘りとパワーが最大限に発揮される

精度の高いアプローチが
ヒットチャンスをメイクする

普通の穂先には戻れない

グレスペシャルTの操作性を強力にサポートするのが先太・先短設計穂先だ。

「僕がグレ釣りを始めたころは『グレは潮を釣れ』っていわれたとおり、まき餌を撒いて仕掛を流していったら、いずれ潮の中で同調して喰ってきたけど、いまはまき餌を撒いたところにピタッと合わせないと喰わない。昔に比べて精度の高い釣りが求められる。喰わせるまでのアプローチがとても大事なんだけど、先太・先短設計穂先は軽い力で遠投が利くしコントロール性能が高く、ここぞというタイミングで遅れることなくぱっと張れる。自分の思い描いた通りに操作ができるので、もう普通の穂先には戻れないよね。この違いは誰が使っても感じられると思いますよ」

その後、夕まずめにずっしりと重量感のある口太42cmを追加して初日は終了した。

釣り中の竿先の様子

飛距離が伸びて狙ったところへビシバシ投入が決まり、仕掛操作のレスポンスにも優れる先太・先短穂先。

タモ網に収まったグレを、磯上へと引き上げる久保野

ミドルクラスの尾長を満喫。天気にも恵まれ最高の初日となった。

42㎝の口太グレを両手に、笑顔を見せる久保野

初日の夕マヅメに取り込んだのは42㎝の口太グレ。コンディションの良い1尾だった。

2日目は1.5号5mで開始

2日目は湾口北側の丘寺島のまんじゅうに、午前8時出港の渡船で渡礁。この日はグレスペシャルT1.5号5mをチョイス。ハリス2.5号に口元尾長のファインピンク7号を結び、10時35分に釣りを開始。釣り座は船着きだ。

竿2本ほど前方にまき餌と仕掛を投入。潮は右へゆっくり流れている。するとすぐさまウキが入り30cm弱の尾長をキャッチ。しかし、その後はアイゴがヒットしただけでサシ餌が残る時間が続く。

11時5分、高場の西向きに釣り座を移動。潮は左へ流れ、左のワンドからはサラシが出ている。

11時8分、竿2本ほど沖を攻めていると一瞬にしてウキが視界から消えるすごいウキ入れ。

「久しぶりにあんなにいいアタリを見ました」と久保野を喜ばせたのは32〜33cmの尾長グレ。その後も同型をコンスタントにヒットさせていく。

「潮がころころ変わるのと、餌取りが多いので、距離を変えながら喰う場所を探っています」

丘寺島のまんじゅう、高場の西向きから竿を出す久保野の背中

2日目のステージとなった丘寺島のまんじゅう。雨が降る中、高場の西向きから竿を出す。

まき餌をしている久保野。その後方に見える、左奥の桃頭島と、右の佐波留島。

左奥が桃頭島、右が佐波留島。尾鷲の渡船エリアは広大だ

竿に任せて根をかわす

11時20分、潮上からサラシの先に仕掛を送り込み37cmの尾長を取り込むと、35分にはスコーンとウキが消える強烈なアタリ。アワセを入れると気持ち良く竿が弧を描いた。重量感のある締め込みをがっちり受け止めて寄せてくる。すると魚は、ワンド側の足元から出ているハエ根へ一気に突っ込んだ。

フットワークを効かせてハエ根をかわすと、竿を寝かせた状態で曲がりと復元力に任せ、根ズレを防ぎながら力を奪っていく。何度も何度も根に向けて突っ込むのは尾長の証だ。やがて海面に姿を見せたのは丸々とした尾長グレ。メジャーに乗せると41cmあった。

「根に走られたときに無理に引っ張ると余計に突っ込まれて根ズレしたり、鈎を飲まれていたら切られてしまう。竿を曲げて弾力を生かし無理をせずにためることで、そんなリスクが軽減する。竿が獲らせてくれた1尾だよね」

雨の中、竿を両手でしっかりと持つ久保野の姿

リールシートは手にしっかりなじみ雨に濡れてもストレスなく釣りができる。

弧を描く竿を右手で操作し、引く久保野

ワンド向きには足元から根がV字状に出ている。その間に突っ込む尾長に竿の弾力だけで対処。根ズレすることなく41cmの尾長が浮いてきた。

美しすぎる尾長は42.5cm

さらなるサイズアップを目指して打ち返しに力が入る久保野。12時15分、その時がきた。気持ちいいウキ入れにアワセを入れると、この日一番の締め込み。支点を手元方向へ移しながらきれいな曲がりを見せる。これぞ伝統のがま調子だ。
「美しすぎる尾長グレ」と久保野が絶賛したのは、体高と厚みのある42.5cm。軽快にミドルクラスの尾長を楽しむグレスペシャルTの仕上がりに目を細める久保野だった。

「塗装が乗って正式なリールシートやガイドが付くと、黒塗りとは使用感が若干変わることがあるんだけど、まったくそんなことがない。素晴らしい仕上がりだね。より繊細に口太を狙いたい、竿を立てたやり取りが得意な方は、兄弟竿のグレスペシャルF、大型の口太を楽に浮かせたい方や尾長がメインで僕みたいに腰ダメで竿を寝かすやり取りならグレスペシャルTが合うと思います」

Tの号数については、40cmまでの尾長が中心なら1.25号、40〜45cmがメインなら1.5号、3号や4号のハリスを使うなら1.75号。迷うようなら1ランク上を選ぶとやり取りに余裕ができて取り込み率がアップすると久保野からのアドバイスだ。

竿の曲がりと弾力が獲らせてくれた納得の1尾

弧を描く竿を操作する久保野

本降りの雨をものともせず竿を曲げる久保野。刻々と変わる潮と、サシ餌が残る餌取りとの距離が2日目の喰わせのカギだった。

42.5cmのグレを両手に、満面の笑みを見せる久保野

今回の最長寸となる42.5cmに笑みがこぼれる。製品版と同じ仕様になった最終プロトの仕上がりに大満足のテスト釣行となった。

磯に並べられたグレスペシャルTの竿。1.25号、1.5号、1.75号のそれぞれ5mと5.3m、計6本のモデルが並んでいる。

グレスペシャルTは1.25号、1.5号、1.75号の3号数でそれぞれ5mと5.3mをラインナップする。

製品ラインナップ

がま磯グレスペシャルT

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