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がま渓流 マルチフレックス本流ゼロリーダー2インプレッション 2人の名手がゼロ調子の竿をあえて標準仕掛で使ってみた がま渓流 マルチフレックス本流ゼロリーダー2インプレッション 2人の名手がゼロ調子の竿をあえて標準仕掛で使ってみた

齋藤誠司 写真

齋藤誠司

本流釣りのスペシャリスト。9mクラスで本流域の尺ヤマメを狙うのが得意。春はヤマメ、夏はアユを狙い、大鮎シーズンがひと段落すると、秋から冬はワカサギを追う。栃木県在住。

ゼロ釣法『専用』竿?ゼロリーダー2をインプレッション

がま渓流 マルチフレックス本流ゼロリーダー2 70 竿画像

ゼロリーダー2という渓流竿が発売された。

「0.1号専用竿でしょ?なかなかゼロ釣法は、一般の人にはかなり慣れが必要ですよ。僕もずいぶん昔、出始めの頃にやってみましたが、どうしてもトラブルが多くて釣りをする時間も短くなるしイライラすることもありましたね。結局、太い糸よりもアタリは多いけど、取り込める魚の数は一緒なんじゃないかってなって、やらなくなりましたね。僕の場合、40センチオーバーを狙う釣りが日常なものですから」

ゼロリーダー2を手にし、釣りの準備を進める齋藤

普段は、鬼怒川本流で大ヤマメを狙うことの多い齋藤。尺ヤマメはもちろん、40㎝オーバーもけして夢ではないフィールドだ。メインで使っているのは、本流スペシャル2 HH90。水中糸0.1号の出番はない。
だが、ゼロリーダー2のメーカー適正ハリスは0.1号~0.4号。けして、超極細糸専用竿ではない。

「まあ、そうか。0.3号、0.4号が使えるなら、想像しているほどぺなぺなではないのかもしれないですね。いいですよ。付き添いのつもりでしたが、いい機会ですし使ってみましょう」

先輩テスターである長谷川のカレンダー撮影に同行する形で訪れた岐阜県高原川。あいにくの大増水に強風というおまけつきだったが、ゼロリーダー2のインプレッションをしてもらうことにした。3種類の長さの中から、齋藤が手にしたのは最長の75-80。川幅の規模を考えれば、6mでも十分、釣りになる規模だったが、齋藤は長竿派なのだ。軽く竿を伸ばし、振ってみて、驚く。

竿を振る齋藤

「すごく柔軟なんですよ。それは想像通りなんです。ただ、びっくりするくらいピタッと止まるし、あと、だらしなくやわやわなんじゃなくて、粘り強さを感じるというか、曲がりの中にトルク感があるというか、そんなに違和感なくいけるかもしれないですね」

とはいえ、はじめて手にする竿と思った以上の強風で、慣れるまではキャストが決まらず苦労している様子だった。

「竿がしなるんで、竿が勝手に飛ばしてくれるんですよ。それがわかるのにちょっと時間がかかっちゃいました。それにしても軽い! これで8mですか」

なお、アタリはない。一緒に竿を振る長谷川も同様。竿がどうとかではなく、いま、この川には口を使う魚がいない。移動することにした。

違和感なく喰い込み、なかなかくわえいて離さない調子

川の中に入り、釣りをする齋藤の背中

支流、双六川にやってきた。大増水ながら、こちらの支流は透明度も高く釣りになりそう。

弧を描く竿を操作する齋藤

「やっときた。ゼロリーダーに助けてもらった」

右手に持った竿を高く上げ、釣り上げた魚の元へ歩み寄る齋藤

長い沈黙をやぶり、ようやく1匹を手にした齋藤。

「いつもの本流竿は、当然、穂先に張りがあるし、全体的に強いんですね。その調子だからできることももちろんあるんですよ」

齋藤は、ポイントを正面には置かず、かなり下流側に置くスタイル。本流で手尻を取り長竿を使う場合には、この流し方をする人が多い。

「大きなオモリに負けない強さというか、流れに負けない強さというか、そういうものが本流スペシャル2にはありますね。本流スペシャル2と比べると大きなオモリでテンションを掛けながら餌先行で流すスタイルより、軽めなオモリでナチュラルに流すスタイルの方がこの竿にはあっているような気がしますね。だからといって大きなオモリを使った釣りが普通にこなせないわけではないです」

網の中に収まる釣り上げたヤマメを手にし、満面の笑みを見せる齋藤

仕掛全長をだんだん短く調整し、竿全長マイナス20㎝ほどになったところでしっくりきた様子。

左手に持った釣り上げたヤマメを掲げ、笑顔の齋藤

「アタリは小さかったんです。『あ、アワセが遅れちゃったかな』って思ったんですけど、ヤマメが口を離さなかった。穂先というか竿全体が繊細で、違和感を覚えなかったんじゃないですかね。あと、掛けてからのやり取りが、楽というか、神経質さがないというか。0.4号にこのショックアブソーバー機能でしょう。無理やりやっても、まず、切れることはないよね。そして、ふつうにやり取りしたら、すぐに胴に乗ってくれるから、いなしやすい。魚も嫌がらない。暴れない。首振らない。何より、やりとりしていて楽しい」

軽快性に優れる70-75ピンポイントへのキャストも思いのまま

川の中に入り、釣りをしている齋藤を空から捉えた写真

翌日、さらに減水した川をみて、竿を70-75、道糸を0.3号に変更した。

「あ、すごく振り込みやすい。思ったところにスパスパ入る。川の規模的には、この70-75が使いやすいですね」

とはいえ、激戦区なのか、なかなか魚信が遠い。

「ようやくきた。本来は水の少ない支流なので、あまり魚影は濃くないエリアなんでしょうね。いやぁ、本流筋で試してみたかったですね。やり取りの余裕さには驚きましたが、無理やりファイトしたり、抜いてみたり、可能性と限界を探ってみたかったです」

腰まで川に入り、釣りをしている齋藤 川岸にて、弧を描く竿を操作する齋藤

数はでなかったものの、魚体のキレイな良型のヤマメを手にした齋藤。本流筋が平水であれば、20匹、30匹と釣れる可能性があったのは、やや心残りな様子。

左手に乗せたヤマメを掲げ、笑顔の齋藤

「あと2週間もすれば、瀬の速い流れに入ってきて、きっと面白い釣りができるはずですよ。そんな数をゼロリーダー2でやり取りしたら? きっと愉しすぎるに違いありません」

がま渓流 マルチフレックス本流ゼロリーダー2 80 竿画像

8mで177g。あまりの軽さに驚く長谷川

長谷川哲哉 写真

長谷川哲哉

普段は小継渓流竿を用いたテクニカルなゲームを得意とする。流速と石組から釣れる小場所を見抜く技術が鋭く、見過ごしがちなピンポイントから次々とヤマメを抜き出す。

がま渓流 マルチフレックス本流ゼロリーダー2 品番75と80の2竿が並んでいる写真

「それ楽しそうだね。オレにも貸してよ」

齋藤が楽しそうに釣る様子をみて、長谷川も触ってみたくなった様子。65-70をすすめたところ、長いのでいいよといって75-80を手にした。組み合わせたのは0.3号。

「これさ、伸ばしたら8mでしょ。こんなに軽いの? 片手で普通に扱えちゃうんだけど

普段は両手で支えている本流竿との違いに驚く。スパッという鋭いアタリが出て、いい曲がりを魅せるゼロリーダー2。

「さすがによく曲がるね。楽しい」

強めにテンションを掛けたり、逆に緩めたりしながら、感触を確認している。

川の岩場に立ち、釣りをする長谷川の背中

「なるほど。例えば初心者の方がなかなか釣れなくて困ってます。あるいは、思ったように釣れません。そういう場合には、ゼロリーダー2を使うだけで、釣果が上がっちゃいますね、これ」

釣り竿を変えると魚が釣れる?

右手に竿、左手に釣り上げたヤマメを持ち、笑顔を見せる長谷川

「まず、アタリが増えますね。または、アタリが分からない、アタリに気づいていないとなっても、くわえている時間が長くなることで、アタリに気づくチャンスが増えますし、気づかなくても飲み込んで掛かっていた、釣れていたというケースが増えます。小継の普通の渓流竿でもちゃんと扱えばアタリはもちろん出せますし、僕の場合は、ここで喰うとわかっているので、その手前から息を止めて手のブレを消しているんですよ。そうやって、アタリを見逃さないようにしているんですね。でも、そういうことを知らない人でも、多少、目印がブレていても、この竿なら魚への違和感を吸収してくれますね。例え、糸が太かったとしても」

アタリが増えることで自動的に釣れる数が増える。

初心者の釣果が伸びるゼロリーダー2?

竿を右手で操作する長谷川の背中

「そして、今度はあわせたあとに、普通の渓流竿では、一気に抜くか良型であれば、魚のあばれを抑えるために上流側に竿を倒して、テンションを抜くというか、ちょうどいいテンションを保つんです。そうしないと切られることがないとしても、首を振ったり、ローリングしたりされることで、鈎が外れやすくなる。ただ、このテンションの微調整って経験が必要だったりするんですね」

乱暴に引っ張れば不要に魚に走られたり、首振りで鈎を外される。

「ゼロリーダー2なら、かなり適当にやりとりしても、バレるような暴れ方をヤマメがしない感じなんですよね。ちょっと強めにテンションを掛けても暴れないし、あるいは、思ったよりも緩めすぎてテンションが足りなくなっても、この竿はテンションが抜けきらない」

やりとりの加減が簡単になる。

「そのくせ、抜こうと思えば、抜き上げられるくらいの強さはちゃんとあるんですよ。パワー加減が絶妙ですよね。さすがに60㎝のニジマスやブラウンを本気で狙うような竿ではないです。40㎝そこそこのヤマメなら取り込めそうですね。糸の太さは釣り人の技量にあわせるとして」

長竿の部類になるのだろうが、かなり細かいポイントにも正確にキャストを決めている。水況が悪くいまいち調子が上がらない中で、シビアなポイントから、1匹、また1匹と引き出していた。

大きな岩が点在する川の中へ入り、釣りをしている長谷川

「誤解して欲しくないんですが、初心者用の竿だ、といっているのではなくて、初心者が使っても、メリットが多い竿だという話で、もちろん、本格ゼロ釣法の使い手が、0.1号とか0.08号とかを使うなら、もう、この竿、一択ですよね。そちらのインプレッションは、ゼロ釣法の使い手にお任せします。自分にとっては得意なスタイルではないので」

右手に竿、左手に釣り上げたヤマメを持ち、笑顔を見せる長谷川

激流の尺鮎釣りもこなす長谷川の信条は真っ向勝負。50㎝なら50㎝の、60㎝なら60㎝の魚にジャストマッチなパワーで挑むスタイル。

「逆にいえば、30㎝までの魚ならば、ゼロ調子もありな選択肢ですね。やり取りが楽しすぎる」