GAMAKATSU

海上釣堀ULTIMATE SPEC  NEW MODEL 細ハリスorアグレッシブな誘い 喰い渋りを攻略するふたつの新戦略 海上釣堀ULTIMATE SPEC  NEW MODEL 細ハリスorアグレッシブな誘い 喰い渋りを攻略するふたつの新戦略

急激な発展をとげる海上釣堀シーン
新たなるトレンドを切り開くふたつの攻略法にせまる

近年YouTubeやSNSなどの普及により情報や技術の伝達は一昔前と比べると格段に早くなっている。そのため竿作りにおいて守るべき基本というのはあるが、守っているばかりでは時代のニーズについていくことはできない。
基本を踏襲したうえで攻めた竿作りというのが必要となってくる。そんな尖がった竿というのが「海上釣堀アルティメイトスペック」シリーズなのである。
追加の並継モデルとくわせロングBの発売が決まり、開発がひと通り終わった2023年。次に向けていくつかのプロジェクトが始動した。

冬の喰い渋りを打破する1.5号ハリスで切れない
海上釣堀アルティメイトスペックライトさぐり380

海上釣堀アルティメイトスペック ライトさぐり380 竿画像
ライトさぐり380
しゃがみ、弧を描く竿を操作する男性

自分の釣りスタイルでもあるフィネスの釣りに対応できる竿の開発だ。海上釣堀以外にもチヌ釣りやグレ釣りも嗜み、以前はその方面でトーナメントなどにも参戦した経験もあり、魚を釣るうえでライン(道糸、ハリス)を細くするというのは、潮や風の抵抗、喰い込みの違和感を低減できるため、アドバンテージの高いものだというのはその頃に学んだ。

例えば堤防や磯でチヌを釣る場合、50㎝を超す歳無しを狙う場合でもウキフカセ釣りではたいてい1.2~1.7号のハリスを使う。チヌよりも引きが強いとされるグレでも2号程度のハリスだ。しかも沈み根など障害物のある場所ですら釣堀よりも細い糸で普通に取り込んでいるのだ。そんな経験を積んできた人にしてみれば、障害物のないイケスの中なら少々細いラインでも取り込み可能であることは容易に想像できる。

右手で竿を持ち、魚とやりとりする男性

しかし、僕が海上釣堀用の竿を監修し始めた頃は40~50㎝のマダイ狙いでもハリス4号は当たり前。青物狙いでは8号以上というのが一般的な考えだった。そのため魚に合わせて細いハリスで釣ろうとすると、竿の方が強すぎてハリスが切れてしまうことが多々あり、仕事の釣りでは海上釣堀専用竿を使うものの、プライベートの釣りでは磯竿(がま磯)や波止竿(がま波)を使って楽しんでいた。

そこで「細いハリスでも十分取れるんだよ」ということを体感してもらうために、粘りのある低弾性のカーボンをメイン材料にした細身肉厚のブランク設計を用いて、細いハリスを労わりながら取り込める竿として「海上釣堀エクスペクター」をリリースした。
その際、どこにハリス(号数)の中心を持ってくるかをロッド企画の担当者とも話を重ね、一気に細ハリスの竿をリリースしても、なかなか受け入れてもらえないだろうと、マダイやシマアジメインの竿なら下限を2号程度して3号前後のハリスがもっとも扱いやすいように設計した。これは現行の「海上釣堀アルティメイトスペック」でも同じである。

竿を立て、リールを操作する男性

エクスペクターをリリースしてからすでに10年近い歳月が流れ、その間さまざまなイベントや教室で細いハリスでも取れるということをプロモーションしてきた。そのため中級・上級者の中には細いハリスを駆使する方々も最近は多くなってきている。さらに市販の糸付ハリでも喰い渋りに対応するべくハリスが1.5号や2号の物がリリースされるようになってきた。

タモ網に収まった魚
海上釣堀 マリンボックス 真鯛 パッケージ画像

そうなると必要となってくるのが、1.5号や2号といった細ハリスが扱いやすい竿になってくる。そこで登場するのが今回追加リリースする「海上釣堀アルティメイトスペックライトさぐり380」である。
竿の調子的には6.5:3.5やや胴に入る感じで、「海上釣堀アルティメイトスペックくわせ350」に近いが、それよりも胴に柔軟性がある。竿先(♯1)は全体がソリッドで、喰い込みが非常によく先端は白塗りされているので目感度にも優れている。

緩やかに曲がる竿先
右手で竿を立て、魚とやりとりする男性

ベイト、スピニング兼用モデルであるためリールシートはトリガーレスタイプのオリジナルシートを採用するも、ガイドバランスはベイトを想定した多点設計となっている。多点になると重量増となるがガイドには軽量のCIMガイドを採用し、重量の増加を最小限に抑えた。
そのためライトということもあるが「海上釣堀アルティメイトスペックくわせ350」よりも自重が若干軽く、3.8mの割にはモーメントも低くなっているので3.5mの感覚で扱うことができるのだ。

厳寒期で喰いの渋い時や、通常期でも喰いの渋くなるタイミングに今までよりも1段2段細いハリスで攻めてみると、それまで口を使わなかった魚が喰ってくることが多々ある。喰い渋りの細ハリス対策に是非使っていただきたい1本だ。

右手に竿、左手にタモ網に収まった真鯛を持つ男性

徹底的に誘いまくり掛ける
海上釣堀アルティメイトスペック攻め誘いS300

海上釣堀アルティメイトスペック 攻め誘いS300 竿画像
攻め誘いS300
左手に持つ竿を立て、右手でタモ網を使い掛けた魚を収めようとしている男性

「海上釣堀アルティメイトスペックライトさぐり」がナチュラルでフィネスに釣る一方、「海上釣堀アルティメイトスペック攻め誘S300」はエサを積極的に躍らせてアピールし、魚の喰い気を誘って釣る「誘い」に特化したモデルだ。

鈎に掛けられた、エサのエビ 鈎に掛けられた、青色に着色したエサの小魚 海面に浮かぶ棒ウキ

僕自身の釣りは、いかにエサをナチュラルに落として、違和感なく喰い込ませることに主眼をおいている。もちろんナチュラルに落としていても馴染んだ後にアタリが無ければ、誘い上げて再び落とすというような誘いは行うが、積極的に誘いをかける釣りは僕の釣りとはアプローチの仕方が180度異なり、この釣りを最初に見た時は「なぜ?」と理解に苦しんだ。

しかし、試してみるとナチュラルにエサを落としても全く反応しない魚が誘いを入れた途端にパクっと喰って来ることが多々あり、それが反射的に喰ってくるのか、エサを動かすことによって捕食のスイッチが入るのかは分からないが、間違いなく「誘い」というのはとても有効な手段なのである。

タモ網に収められた魚

またひとくちに誘いといっても、その場で小刻みに動かす誘い方や横方向へスライドさせる方法、チョンチョンと誘いながら巻き上げる方法などその日によってベストな誘い方が変わってくるため、最適なパターンを見つけ出すのもこの釣りの魅力ともいえる。さらに誘いを多用するとマダイはもちろんだが青物のヒット率が向上するのも分かってきたのだ。

棒ウキのついた仕掛けをキャストする男性
弧を描く竿を右手で操作する男性

一日中手に持って常に誘いを掛けるため、長さは3mとやや短めとして調子は操作性を重視した8:2程度の先調子に仕上げている。先調子に仕上げるとどうしても胴が硬くなり、魚が暴れやすくなってしまうが、絶妙なバランスで魚が掛かればしっかりと胴まで曲がりハリス切れを防ぎながら魚をいなしてくれる。また、前述したとおりこの釣り方だと青物のヒット率も高くなるので竿のパワーは大型青物にも負けないパワーを有している。

釣り上げた真鯛を両手に持つ男性

誘うことだけに特化するなら、竿先はチューブラーのような太くて張りのある方が操作はしやすい。そのため開発し始めた頃はチューブラーの竿先でテストを繰り返したが、誘いを掛けてからウキにアタリが出るようなパターンではなんら問題無いのだが、誘いを掛けた瞬間や誘いを掛けている最中にひったくるようなアタリが出る場合、チューブラーの竿先だと喰い込みストロークが無いためアタリを弾いてしまったり、掛かりが浅くなる傾向が見られた。

棒ウキ仕掛けを準備する男性

竿先を軟らかくすれば誘い難くなり、竿先を硬くすればアタリを弾いてしまう。試行錯誤の末、これは探り竿よりも先径を少し太くしたカーボンソリッドを用いることで解決した。
そして特徴的なのが他に類を見ないガイドセッティングである。道糸の抜けだけを見るなら「海上釣堀アルティメイトスペック泳がせ」のようにKガイドを用いれば問題ないが、誘いを多用するとなると竿先のガイドが大きくなると持ち重り感が出てしまうのと、頻繁に竿先を操作すると道糸が暴れやすくなるため竿先への糸絡みが頻発する。特にPEラインを使った場合は顕著に見られるため、ガイド絡みしやすい1番、2番ガイドには軽量なCIMガイドを採用し糸絡みと持ち重りの低減につなげている。

スペック表を見てもらうと分かるが、自重は215gとそれなりの質量となっているが、モーメントを見れば15.5とシリーズの中では「海上釣堀アルティメイトスペックへち誘い」に次ぐ低い数値である。しかも青物狙いの竿の中では別格の持ち重りの無さと言える。さらに適合ハリスを見てもらうと3~12号と幅を持たせているのが竿の柔軟性の表れだ。
誘いで食わせる場合はハリスの太さはあまり気にする必要ないので、6号前後のハリスで青物でもガチンコのヤリトリを楽しんでもらいたい。

海上釣堀の板床に置かれた、棒ウキと釣り上げた真鯛