Angler・Designer
黒神 樹
日本狭しと釣りを駆けまわる。
天然の希少なイワナを求め片道8時間の山岳渓流に行ったと思えばお隣の韓国までヒラマサやヒラスズキを狙いに行ったりする。最大のヒラマサは25kg。それらの釣りを全てパックロッドで行うのがこだわり。
水辺を見つけた瞬間、釣りが始まる。
と旅した、
3つのフィールド
旅先で海を見つけたとき。
出張先で、少しだけ自由な時間ができたとき。
車を走らせている途中、どうしても気になる水辺を見つけたとき。
そんな瞬間にロッドがあるか、ないか。
それだけで釣りができるチャンスの数は大きく変わる。
PACKSTYLEが大切にしてきたのは、
「どこにいても、釣りがしたい」というシンプルな考え方だ。
バックパックや荷物の中に収まり、移動の邪魔をしない。それでいて、水辺に立てばきちんと一本の釣竿として使える。
新しいPACKSTYLEでは、その考え方をさらに広げた。
仕舞寸法は42cm以下。紙のA3サイズほどの長さに収めながら、これまで難しかった長尺・Hクラスまでラインナップを拡大した。ライトゲームだけではない。トラウト、シーバス、そしてショアジギングまで。
「パックロッドだから、この釣りは諦める」
そんな場面を、できるだけ少なくしたかった。
さらに、各パーツの合わせマークや継数ナンバー、フード脱落防止リング、ベルト付き竿袋を採用。グリップもオリジナル形状とし、握り心地にもこだわった。
そして、個人的に便利だと思っているのが、ロッドに入れたグレーのマークだ。
多継ロッドとして小さく収納するだけでなく、釣り場を移動するときには、そのマークを目安に2ピース感覚で分割できる。小さく持ち運べること。そして、釣り場では面倒なく使えること。どちらもPACKSTYLEにとっては大切な性能だ。
もちろん、「2ピースロッドよりすべてにおいて優れている」なんて言うつもりはない。その代わり、旅先で一本のロッドに求めたくなるものは、かなり詰め込んだ。幅広いルアーを扱えること。移動中の破損を必要以上に気にせず持ち歩けること。そして、一つの魚種、一つの釣り方だけに縛られないこと。では実際、どんな場所で、どんな釣りができるのか。プロトモデルを持って、いろいろな場所を旅してきた。
01|栃木県・中禅寺湖
レイクトラウト × PACKSTYLE A3 S86M
大阪から車を走らせること約600km。
まだ夜の色が残る午前4時、中禅寺湖の湖畔に立った。
湖面は鏡のように静かだ。
まず狙ったのは、国道側のシャロー。
暗いうちは10cmクラスのミノーを投げ、ワカサギやウグイなどを追って岸際を回遊してくる魚を狙っていく。
しかし、反応はない。
薄暗かった空が少しずつ明るくなり、とうとう朝を迎えた。
大阪から車を走らせること約600km。
まだ夜の色が残る午前4時、中禅寺湖の湖畔に立った。
湖面は鏡のように静かだ。
まず狙ったのは、国道側のシャロー。
暗いうちは10cmクラスのミノーを投げ、ワカサギやウグイなどを追って岸際を回遊してくる魚を狙っていく。
しかし、反応はない。
薄暗かった空が少しずつ明るくなり、とうとう朝を迎えた。
そこで釣り方を横の釣りから縦の釣りへと変える。
15〜20g前後のスプーンを遠投し、今度はボトムの釣りへ。砂地に小石が混じる場所で、スプーンを石の間に隠し、また姿を現す。ボトムにいるヨシノボリが動くようなイメージで、細かくアクションさせていく。
こういう釣りをしていると、S86Mの使いやすさがよく分かる。朝一番にはミノー。日が昇れば、遠投してボトム。一日の中で狙い方が大きく変わっても、一本で対応できる。遠投した先のボトムで出た、レイクトラウトのついばむような小さなアタリ。それを捉える感度と、レイクトラウトの硬いアゴを確実に捉えるだけのフッキングができるバットパワーが頼もしかった
旅先では、何本ものロッドを持ち込めないことも多い。
だからこそ、このS86Mの万能感が頼もしかった。
02|徳島県・徳島市
シーバス × PACKSTYLE A3 S90MH
徳島で狙ったのは、日中のシーバスだ。
今回ポイントに選んだのは水門周辺。水門が開くと、吐き出される水と一緒にベイトも流されてくる。5cmほどのハクが流れのヨレに溜まり、時折、本流へ押し出された瞬間にシーバスが捕食する。魚がいる場所は容易に見当がつく。
あとは、その流れにどうルアーを入れるか。
7cmのミノーを結び、流れに対してダウンに投げてドリフトさせながら本筋に入れる。
ルアーが本流の流れを掴むのを感じる。
そして、本流からルアーがふっと抜けた瞬間。
「ドゥン」。
はっきりとしたバイトが出た。
徳島で狙ったのは、日中のシーバスだ。
今回ポイントに選んだのは水門周辺。水門が開くと、吐き出される水と一緒にベイトも流されてくる。5cmほどのハクが流れのヨレに溜まり、時折、本流へ押し出された瞬間にシーバスが捕食する。魚がいる場所は容易に見当がつく。
あとは、その流れにどうルアーを入れるか。
7cmのミノーを結び、流れに対してダウンに投げてドリフトさせながら本筋に入れる。
ルアーが本流の流れを掴むのを感じる。
そして、本流からルアーがふっと抜けた瞬間。
「ドゥン」。
はっきりとしたバイトが出た。
こういう場所では、掛けてからが難しい。
水門から吐き出される強い流れ。
足元には構造物やえぐれ。
魚に自由を与えれば、一気に主導権を取られる。
だが、S90MHには、強引に魚を寄せられるパワーある。
ただ、硬いだけではない。S90MHは負荷が掛かるとロッドが深く曲がり込み、魚の動きに追従する。
足元まで寄せたシーバスは、最後の最後で激しく暴れるもバラしそうな不安感はない。
魚を止めたいときには止めるパワーと、バラしやすい手前ではしっかり曲がるフレキシブルさを併せ持つ1本だ。
河川や水門、流れの強い場所、また遠投が必要なシーンなどロングレングスを活かしたシーンで使いたい。
03|兵庫県・淡路島
アジ&メバル × PACKSTYLE A4 510UL-solid
そして最後は、一気に繊細な釣りへ。
春先の淡路島。
僕がよく狙うのは、ストラクチャーや海藻に潮が当たるシャローエリアだ。
使うのは0.8〜1.5gほどのジグヘッドに、2インチ前後のワーム。
派手な釣りではない。
キャストして、潮の流れを感じる。
時折リグがストラクチャーに触れる感覚を拾う。
その情報を一つずつ頭の中に入れながら、魚のいる場所を少しずつ絞っていく。
510UL-solidは、こういう釣りが気持ちいい。
軽量なリグを軽快に操作でき、潮の変化やストラクチャーとのコンタクトも感じ取れる。3月のメバルは、産卵から戻ってきたばかり。いつもの「ガツン」と分かりやすいアタリが出るわけではない。
「モゾッ」。
ほんの小さな違和感だけで終わるアタリもある。
その「モゾッ」を感じて、掛ける。
その瞬間に、「あ、この竿いいな」と思えた。
コンパクトに持ち運べることは、PACKSTYLEの大きな特徴だ。でも、それだけではこのロッドを作る意味がない。ライトゲームを本気でやっている人が使っても、ちゃんとルアーを操作して、アタリを感じて、魚を掛けられる。
旅行や出張に忍ばせて、夜に少しだけアジやメバルを狙いたい。
そんな人にとって、510UL-solidはかなり面白い一本になると思う。
パックスタイルが目指したのは荷物を小さくするためだけでなく、釣りの可能性を広げること。
600km先の湖。強い流れが走る水門。春の夜の、静かなシャロー。
多くの場所を一緒に旅をして来た。だから、どの1本を選んでも後悔することのない仕上がりになっているつもりだ。
自分がどこへ行きたいのか。 そこで、どんな魚を釣りたいのか。 ワクワク想像して自分のための1本を選んでみてほしい。 PACKSTYLEのコンパクトさに詰め込んだのは可能性だ。
車に積んでおける。
バックパックに入れられる。
旅に連れていける。
だから、本来なら釣りをしなかったはずの場所で、竿を出せる。
持ち運ぶために釣りを妥協するのではなく、
持ち運べることで釣りの選択肢を増やす。
次の旅で水辺を見つけたとき。
もしもPACKSTYLEがあれば、
未知のフィールドでの出会いをあなたの記憶に刻むことができるかもしれない。