ウキ釣りと脈釣りで立体攻略
並継B270に感じた際釣りの可能性
沖長孝幸
TAKAYUKI OKINAGA
兵庫県武庫川一文字をホームにチヌの落とし込み釣りにハマっていたが、10年ぐらい前に友達と出かけた海上釣堀が思いのほか楽しく、以降釣堀釣行を重ねるうちにこちらがメインに。その時々で魚種に合わせた餌のチョイスや釣り方の選択で釣果が大きく左右されるゲーム性の高さに釣堀の魅力を感じている。海上釣堀系YouTuber。
立体的に攻めるための4機種をチョイス
さぐり青物350を手にイケスの中程を脈釣りで狙う
極端な話、竿が1本あれば魚は釣れる。しかしながら、限られた時間の中で、より多くの魚を釣りたい、いろんな魚種を釣ってみたい。そう思うなら、釣り方に合わせた複数の竿を用意した方が釣りは俄然楽しくなる。
スタイリッシュがかっこいい海上釣堀コアスペックⅢのロゴ
ウキ釣り用に4機種、脈釣り用に4機種の合わせて8機種で、細分化された海上釣堀の釣りに対応する「海上釣堀コアスペックⅢ」の中から、沖長孝幸がセレクトしたのはウキ釣り用に「青物350」と「真鯛350」、脈釣り用に「さぐり青物350」と「並継B270」の計4本。兵庫県家島諸島の海上釣堀「水宝」の大きなイケスを「ウキ釣りで平面に、脈釣りで上下に、立体的に広く探っていくため」の選択だ。
さぐり青物350には適度な張りを持たせた先径1.0mmのグラスソリッド穂先を採用
青物350はハナカン仕掛のウキ釣りに
どの竿も今回が初使用ということで、どのような調子に仕上がっているのかワクワクしながらタックルの準備を進めていく。ウキ釣り用にはスピニングリール、脈釣り用にはタナを一目で確認できるカウンター付きのベイトリールをセット。道糸はすべて強度と感度に優れるPEを使用。それぞれのセッティングは次の通りだ。
青物350に搭載される大口径のKMガイドは太いラインやノット部分もスムーズに通る
鈎に付いたハナカンを活き餌の鼻の穴に通すことで弱らず元気に泳ぎ続ける青物泳がせハナカン仕様。付けているのはウグイで鈎にはカツオのハラミを刺した
青物狙いの「青物350」は道糸4号、5号負荷のウキを通して新登場の「青物泳がせハナカン仕様13号」をセット。この仕掛は、アジなど活き餌の鼻の穴に鈎に付いたハナカンをセットすることで、活き餌が弱らず元気に泳ぎ続けるというもの。鈎には切り身などを付けることで活き餌の動きと切り身のニオイのダブル効果で青物を誘発する。鈎上30cmほどのところに5号オモリをセットした。
脈釣りの2本にはダイレクトボールをセット
マダイメインの「真鯛350」には、PE2.5号にフロロハリス3.5号1mを直結し鈎はガチロック10号。ウキとオモリは1.5号だ。
オモリと鈎が一体になったダイレクトボール。操作性、感度に優れ脈釣りに欠かせないアイテムだ
「さぐり青物は青物はもちろんのことマダイの脈釣りなど幅広く使えますね」
青物狙いの「さぐり青物350」には、道糸2.5号にフロロハリス5号1mを直結。マダイメインの「並継B270」は道糸2.5号にフロロハリス3号1m。どちらもオモリと鈎が一体になったダイレクトボール3gをセットした。
ウキ釣りでも脈釣りでも使いやすい真鯛350。この日はウキ釣りで使った
餌のシルエットサイズを落としてヒット
「いまの青物はハマチやメジロ系なので、そこまで底べったりじゃない。底から3mぐらい上を重点的に狙ってみようと思います」
イケスの網底までが11mほどということで、ウキ下を8mにした青物350の仕掛に活きアジとカツオのハラミをセットして、イケスの中央へ投入した。
活き餌の操作性に優れるカーボンチューブラー穂先の青物350
泳がせ釣りとはいえアジ任せにするのではなく、竿の操作でアジを左右に動かしたり、少し持ち上げ落としたりと誘いを入れて様子を見る。朝まずめの時合いに期待してしばらくやってみるがアタらない。
「反応がよくないので餌のシルエットを小さくしたほうがよさそうですね」
大きなシルエットの餌には反応しないと判断し餌を替えてすぐにヒット。さぐり青物350が気持ち良く曲がる
さぐり青物350にタックルを持ち替えて、アルゼンチン赤エビの味噌漬けを餌に投入。網底近くまで落としてすぐにアタリをとらえた。朝日が照らす逆光の中、心地よい締め込みを楽しませてくれたのはマダイだ。
「青物用の竿ですけど、グラスソリッド穂先なのでマダイのアタリがしっかり出ましたね」と振り返る沖長だった。
並継B270の際狙いに替えてマダイ連発
竿を青物350に戻し、今度はアジよりもシルエットの小さい活き餌のウグイとカツオのハラミの組み合わせで泳がせてみる。どのタイミングでどの餌が当たるのかが分からないのが海上釣堀の難しいところ。餌のローテーションは大切だ。そして反応がなければ素早く見切り次の一手に移ることも釣果を上げる大事な要素。
「青物は放流後に期待してマダイ狙いに切り替えます。短めの竿で網の際とかイケスの角を攻めてみますね」
網際ギリギリを狙うのがセオリー。スパイラルガイドを採用した並継B270は糸落ちがスムーズで穂先への糸絡みもなく快適に釣れる
アルゼンチン赤エビの味噌漬けはマダイの大好物だ
並継B270に持ち替えてアルゼンチン赤エビの味噌漬けを餌に足元の網際へ落としていく。底から少し上のタナだろうか、穂先を押さえるアタリにアワセが決まった。軽快にフットワークを効かせながら魚の引きをいなしていく。シンプルな仕掛と伸びがないPEラインのダイレクト感あふれるやり取りは躍動的でかっこいい。浮かせたマダイをネットイン。狙い通りの1尾に沖長さんの頬が緩む。
2.7mのレングスはタモ入れもイージーだ
「網の際に魚が付くので、網際ギリギリを攻めるんですが、難しいのは網に根掛かりすること。オモリを鈎上30cmとかに打ってしまうと、潮の流れでオモリから下の餌が網の方へ流れてしまって根掛かりしやすくなるんですよ。ダイレクトボールだと流されにくいのと網に当たると糸フケが出るのですぐに分かって根掛かりしにくいですね。あとは魚の口元へ直接餌を持っていけるのが強みです」
ダイレクトボールのサイズだが、マダイメインで狙うなら2〜3g、水深7から10mぐらいなら3gが使いやすく、青物狙いで切り身などの大きな餌を使うときは5gや7gといった重たいものを選べばいいそうだ。
操作性、穂先感度、パワーと大満足の仕上がりになっていると沖長さん納得の並継B270
ネット際や角をタイトに探れるさぐりモデルB270
バラしてしまうとイケス全体の活性が下がるため1尾1尾ていねいに取り込むことも釣果を伸ばすコツだと沖長
新しい餌を付けて同じように際を探るとすぐにヒット。その後もマダイを追加した際釣りの手順はこうだ。
「まずは網底まで餌を落としてアタリを待ちます。アタリがなければ竿を上げたりリールを巻いて50cmほど誘い上げる。そこでアタらなければまた上へ50cm。こうしてタナを探ります。今日は潮が澄んでいて上から3分の2ぐらいまでは魚がいないのが見えているので、底から3分の1ぐらい。際の水深は網底まで9mぐらいなので底から3mの間を重点的に狙っています。潮が濁っていればもう少し上まで探りますけどね」
活性が低いときほど網際の釣りが効果的
釣り方と餌をローテーションしながらマダイを引き出していく
タナを探るとともに大事なのが誘いのアクション。
「使っている餌や魚の活性にもよるんですけど、速く動かしたりゆっくりフワフワ誘ったり、横に動かしてみたり、その時々でどの動きに魚が反応するのかを探っていきます。青物だったら速い動きに反応するので一気に早巻きしたり、活き餌だったらあんまり速く動かすと弱っちゃうのでスーッと引き上げたり、活き餌でないなら竿を優しくシャクってフワッと誘ったりですね。並継B270は短くて取り回しがいいので、そうした誘いの操作もしやすいですね」
こうして際と角をメインに釣っていくが、時折前方を狙うことも忘れない。そちらの魚に喰い気が出ていることがあるからで、真鯛350に持ち替えて活き餌のシラサエビでマダイを追加。ただ、青物の活性は上がらずヒットにはつながらなかった。
ウキ釣りも脈釣りもオールマイティにこなす真鯛350
アオイソメで喰わせたイシガキダイ
この日いちばんの引きを見せたのはイシガキダイ。イシガキ模様が消えて口の周りが真っ白になったオスの老成魚はクチジロと呼ばれ磯底物師の憧れだ
釣堀では様々な餌を使用するが、アルゼンチン赤エビとともにこの日よく当たったのがアオイソメ。そしてこの日のクライマックスもアオイソメを餌に並継B270での際攻めでやってきた。
小さな前アタリのあと穂先を押さえ込む力強いアタリ。アワセを入れると同時に強い引きに襲われた。これまでのマダイとは明らかに違う節のある強い締め込み。
海面下に白い魚体が見えた。ここから抵抗を繰り返す魚の正体は?
腰を落として腕を突き出し竿の弾力を生かしながら応戦する沖長さん。浮かせてくる途中も執拗に締め込んでいく。やがて海面下に姿を見せたのは口の周りが白くなったイシガキダイ。取り込んだ魚の口元をがっちり鈎が貫いていた。
「今のは水深8mくらいのところですね。何回かアタリがあったんですが、アオイソメを1匹長いまま使っていたので、しっかり口の中に入るまで待ちました。この竿のグラスソリッド穂先は喰い込み感度がよくて、コツコツコツという前アタリからクッと喰い込み本アタリまではっきり分かりました。イシガキダイの引きが強くてけっこう持っていかれましたが、自分のコントロールの範囲内でこっちも負けることなく楽しみながら上げることができましたね」
満面の笑みを浮かべる沖長だった。
この日反応の良かったアオイソメ。1匹長いままダイレクトボールに刺す
ダイレクトボールのフックがイシガキダイの口元をがっちりとらえていた
活きアジを自在に誘える青物350
さて、今回の釣りを通して、4本の使用感はどうだったのだろうか。
「青物350は大口径のガイドを使っているので、ラインの出がとても良かったですね。青物狙いでは道糸も太くなりますし、ウキ止めもしっかり止める必要があるので大きくなりますが、それらの放出がとても良く感じました。泳がせ釣りではアジ任せにすることもあるんですけど、スーッと横に動かしたり縦の動きを入れて誘ったりもする。アジ自体の抵抗もあるしアジが泳ぎすぎないよう4号や5号のオモリを使うので、穂先の軟らかい竿だと誘いをかけるときに穂先だけが曲がってしまってアジが動かせない。20cm引っ張ったときに20cm付いてくる張りがほしい。そんな操作性がすごく良かったです」
際釣りメインだったが、前方に潜む魚にいつ喰い気のスイッチが入るか分からないので時折ウキ釣りで前方を広く探ってみる
前方をウキ釣りで攻めていた真鯛350が弧を描く。竿の弾力を生かしてじっくりやり取りを楽しむ
並継ぎ270はダイレクトボールと相性抜群
「今回の釣りでもっとも活躍してくれたのが並継B270です。際を釣るのに最適な1本ですね。ダイレクトボールとの相性がとても良かったです。
強烈な締め込みが並継B270を襲う。ここから粘って起こしてくるのががまかつロッドの真骨頂だ
網際の脈釣りでコンスタントにマダイを仕留めていく
穂先の感度が良くて前アタリから本アタリまでしっかり分かりますし、バットパワーも十分にあってフッキングがすごく決まりやすい。イシガキダイの硬い口も一発でとらえていましたし、のされることなく主導権を握りながら獲れました。これなら青物が掛かってもしっかり獲れると思います。非常に良く仕上がっているなと感じました」
複数本の竿をローテーションし、よりよい海上釣堀フィッシングを楽しんでいただきたい。
際釣りにベストマッチと沖長さんが絶賛する並継B270