喰い渋るアタリを弾かない穂先と
自在に誘える短竿の優位性を実感
中嶋 優
YU NAKAJIMA
京都生まれの京都育ち。子供の頃からフナやハヤなどの川釣りを楽しみ、その後ブラックバスにハマる。20歳のころから海釣りに目覚めて、エギング、ティップラン、イカメタル、オモリグなどイカ釣りの虜に。イカ釣りがオフとなる厳冬期のお楽しみにと6年程前に海上釣堀に通い始め、現在はイカ釣りと海上釣堀の2本立てで楽しんでいる。第1回関西つり堀KINGバトル優勝。
さぐり青物450と並継S270をセレクト
多様化する海上釣堀の釣法に合わせて8アイテムで登場する海上釣堀コアスペックⅢ
「今回の海上釣堀コアスペックⅢには、普段使っている海上釣堀アルティメイトスペックにはない長さがあるので、それらがどんな調子なのか試してみたいですね」
2025年11月下旬、日本最大規模を誇る兵庫県家島諸島の海上釣堀「水宝」を訪れた中嶋優は、8アイテムのラインナップの中から「さぐり青物450」と「並継S270」をセレクトした。
昂ぶる気持ちを抑えながらタックルをセットする
前者は脈釣りやズボ釣りで青物を掛けにいくグラスソリッド穂先を採用した4.5m。その長さをいかしてイケスの中央を攻められる最長モデル。後者はカーボンチューブラーの適度な張りを持たせた穂先と取り回しの良い2.7mのレングスで、積極的に誘いをかけて喰わせにいく最短モデル。マダイの数釣りを見据えながらも不意の青物に対応するパワーを兼ね備えている。
喰い込みが良いグラスソリッド穂先を採用したさぐり青物450
ウキ釣りで誘って喰わせる釣りに適した並継S270
活き餌の元気さを保つハナカン仕掛
今回竿を出した兵庫県家島の水宝
「朝は青物の活性が高そうなのでさぐり青物450を使ってみます」
狙いのタナが素早く把握できるよう50cmごとに色分けされたナイロン8号の道糸に新登場の「青物泳がせハナカン仕様」をセット。これは、鈎に付けられたハナカンにアジなどの活き餌をセットする斬新な仕掛だ。
鮎釣りではおなじみのハナカンを鈎にセットした「青物泳がせハナカン仕様」
活きアジをハナカンにセットし鈎には切り身を付けて使う
「活きアジの鼻に鈎を通すと抜けやすいしアゴに刺すと弱りが早いんですよ。それがハナカンを鼻に通すと長い時間、元気に泳いでくれますね。元気なアジと死にかけのアジやったら元気なほうに青物の反応は良いので、できるだけ長く元気に泳いでもらいたい。
ただ、アジだけだと泳ぎすぎて青物から逃げ切ることがあるので、魚の切り身を鈎に付けます。アジの動きをセーブするとともにニオイでアピールし、そっちに喰ってくることもある。2つの効果で狙える仕掛です」
釣り始めはさぐり青物450でイケス中央に潜む青物狙いから
11〜14号の鈎の中から13号をセレクトし、ハナカンにアジを通したあとカツオの切り身を鈎に刺してイケス中央へ投入。オモリは4号だ。
「青物はマダイよりも上のタナにいることが多いんですけど、青物が下でマダイが上ということもある。だからまずはセオリー通りにマダイの上を狙ってみて反応があればそれでよし。なければもっと上を探ったり底近くまで沈めたり。例えば、イケスの底が10mだとしたら8mぐらいから狙い始めて7m、6m、5mと探ってみて、ダメなら底を狙う感じです」
この日のイケスは中央部の底が11.5 mということで9mあたりのタナから探っていく。
ウキ下は9mほどで狙った
餌のシルエットサイズを落としてヒット
マダイ狙いに切り替えるとすぐさまヒット
タナを替えながらしばらく探るものの反応がない。そこで並継ぎS270に竿を持ち替えマダイ狙いにチェンジ。こちらの仕掛は、道糸がナイロン6号、1号負荷のウキに1号オモリ、ナイロンハリス4号1m、鈎はガチロック11号だ。
黄色に染めたアルゼンチン赤エビを鈎に刺して投入。すぐにウキが消し込まれた。ショートロッドを曲げ込み心地よい引きを楽しみながらあっという間にマダイを取り込んだ。
その日その時で当たり餌は変わる。これは黄色く染めたアルゼンチン赤エビ
ショートロッドのメリットを生かして手返しよく釣果を重ねる
「短いのですごく扱いやすいですね。竿に力があるので無理にやり取りしなくても魚が浮いてくるから、すごく楽に釣りができる。女性や子供さんでも使いやすいと思います」
早い時間は喰いが立つので手返しよく釣って釣果を伸ばしたい。並継S270が真価を発揮する
その後、立て続けにマダイを掛けていくが、単に喰いつくのを待っているわけではなかった。
「大事なのは誘いです。すごく活性が高いときは、落ちていったタナで待っていれば喰ってくるんですけど、餌に興味は示しても喰わないことが少なくない。そんなときは餌を持ち上げて落としてみたり横に動かしてみたりと、魚が追いかけるような誘いをしてやるとパコって喰ってくれます」
誘いの幅やスピードはその時々の魚の活性によって変わり、大きく速く動かした方がいいときもあれば、細かく5cm、10cmゆっくり動かした方がいいときもあるとのこと。いまの状況では大きく動かす誘いに好反応だが、時間が経つにつれて活性は落ちてくるのでいろいろ試していくという。
「2.7mと短い竿だとそういう誘いがすごくやりやすいですね。喰わせるうえでも有利だし、掛けた魚がスムーズに上がってくるので、この竿は数釣りにはもってこいです」
青物にも不安ない並継S270
海面下2.5〜3mに見えた青物を誘いで喰わせた。並継S270の胴に乗せて間合いを詰めていく
マダイを釣りながらも時折カツオの切り身に餌をチェンジし浅く浮いてくる青物を狙う。9時ごろそんな攻めが奏功し並継S270が強烈に絞り込まれた。右へ左へ走り回る魚に対し粘り強く竿が追随しながら突進を止める。ショートロッドならではのダイレクト感あふれるやり取りは迫力満点だ。やがて仲間の差し出すタモに青物が収まった。
カツオの切り身で喰わせた青物。並継S270はマダイの数釣りを主とする竿だがこんな青物もしっかり獲れる
「2.5〜3mぐらいの深さのところで餌の周りをグルグル回っていたので、誘いをかけて喰わせました。並継S270は青物を掛けても不安がありませんね。すごくいい。ただ、竿が短い分、釣り人の方へ向かって魚が走ってきたときに巻き取りが遅いとテンションが抜けて鈎が外れるおそれがあるので、そこだけは注意が必要かな」
並継S270は取り回しもよくタモ入れもスムーズ
エビが跳ねる動きも分かるソリッド穂先
「サイズのいい青物が動いていると、それを掛けたらほかの魚もつられてスイッチが入ることが多いですね。あんまりやる気がない魚が掛かっても周りの魚は反応しない。すごくやる気のある魚が喰うと、そこからほかの魚も喰い出したりするんですけどね。今日はなかなかスイッチが入りませんが、そこはタイミングがある。15分後に急に喰い気が立つかも分からないので、そのときにどれだけぴったり合う餌を落とせるかどうかが大事です」
この日の餌はシラサエビ、アジ、ウグイ、カタクチイワシ、カツオの切り身、バナメイエビ、アルゼンチン赤エビ、甘エビ、ダンゴを2種類。
さぐり青物450を使いイケスの中央でマダイがヒット
並継S270では青物を釣ったことから、さぐり青物450でハナカン仕掛や脈釣り仕掛に替えながら餌をローテーションしていく。
「シラサエビがぴょんぴょん跳ねる細かい動きも穂先に出ますね。それが出たら青物も近くにいるのかなとか、そういう情報もキャッチできるいい竿ですが、いかんせん青物が喰ってくれませんね」
イケスの中の魚とはいえ、釣り人の思い通りに喰ってはくれない。それをいかに喰わせるかが海上釣堀の面白さであり奥深さでもある。
余裕で獲れるさぐり青物450の粘りとパワー
さぐり青物450を使いイケスの中央でマダイがヒット
ハナカン仕掛に戻し、アジからカタクチイワシへ餌をチェンジしたときだった。さぐり青物450が大きく弧を描いた。ロングロッドならではの粘り腰とパワーは強烈な突進にも余裕を感じさせる。
青物泳がせハナカン仕様で喰わせた青物
青物泳がせハナカン仕様でカタクチイワシを泳がせてヒット。さぐり青物450の繊細な穂先が違和感を与えることなく喰い込ませた1尾
これぞがまかつ調子だ。取り込んだのはグッドコンディションの青物だった。
「アジだとシルエットが大きくて喰わない感じだったのでカタクチに替えて、今のは底にいる青物でしたね。上下に誘っていたら穂先をグーッと持っていきました。喰いが渋いときは、穂先の硬い竿だと抵抗を感じて餌を放したりもしますが、さぐり青物450は軟らかい穂先なので違和感なく持っていきましたね。いまの状況にマッチしている感じでした。青物を掛けたあとも長さがある分よくしなって、しっかり引きを吸収してくれるので楽でしたね」
餌のローテーションがばっちり当たり、線径1.0mmのグラスソリッド穂先の喰い込み力がもたらした貴重なヒット。セレクトした2本の竿それぞれで青物を仕留め、ほっと胸をなで下ろす中嶋だった。
強い引きがたまらない青物。少ないチャンスをものにしたい
鈎先が立つ瞬間に掛けられる張りと感度
2タイプの竿を使ってマダイの数釣りを楽しんだ
時間が経つにつれて喰いが渋くなるなか、中嶋はさぐり青物450に0.5号オモリ、ナイロンハリス2号、ガチロック11号をセットした脈釣りでマダイを掛けていく。
「喰いが渋いマダイは、餌を吸い込んでは吐いて、吸い込んでは吐いてを繰り返します。吸い込んだときにアタリは出るんですけど、そこでアワせても吐き出している。穂先はまだ曲がっているのにアワせるとスポッと抜けるんですよ。だからアタリが出たら、あえて餌を動かして追わせて追わせて、上アゴに鈎先がちょんと掛かった瞬間にアワせるんです」
アタリが出たときに穂先を動かす様を見て、餌をしっかりくわえているかどうかを確認する聞きアワセかと思ったがそうではなかった。餌を追わせながら掛けアワせるタイミングを図っていたのだ。それでは上アゴに鈎先が掛かった瞬間をどのように判断するのだろうか。
「吸って吐いてのときはチョンチョンなのが、上アゴに掛かると少しグーッと押さえ込むようなアタリに変わるので、その瞬間にアワせます」
このタイミングで掛けなければ、餌を放してしまうので、それが取れるかどうかで釣果は大きく変わってくる。
「穂先の軟らかすぎる竿だと感度が鈍くてそれが分からなかったり、アワセの力がしっかり伝わらなかったり、アワセが効くのに時間がかかる。くわせ青物の穂先は、適度な張りと感度があって、そんなアタリが明確に伝わるしアワセもしっかり効きますね」
こうして終了時間まで、魚との駆け引きを楽しんだ。
マダイが喰い渋るときは餌を追わせて上アゴに鈎先が立った瞬間に掛け合わせる。このように口の中の膜に掛かることもあるがアワセのタイミングは悪くない
ショートレングスの並継S270でウキ釣り仕掛を巧みに誘う
「並継S270はマダイをパンパン掛けて取り込むにはもってこい。めちゃくちゃ扱いやすくて取り回しもよかったです。さぐり青物450は今日みたいな大きめのイケスであればマダイから青物までこれ1本で十分攻められるのかなと思いました。いずれにせよ、コアスペックⅢはラインナップが8種類あるので、自分の釣りスタイルに合った1本が見つかると思います」