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プレミアムベーシックモデル 宵姫爽弍の深化 プレミアムベーシックモデル 宵姫爽弍の深化

藤原 真一郎 写真
PRODUCT PRODUCER

LUXXEプロスタッフ藤原 真一郎

アジングゲームの創成期からアジングシーンをリードしてきたスペシャリスト。ホームグラウンドは関西の激戦区で、釣行回数は年100回を超える。また、地元に限らず、北陸や九州、四国への遠征もこなす。頭脳派アングラーとして知られており、フロートのFシステムをはじめとした数々のリグや釣法を確立してきた。アジに限らず、メバルやカサゴ、キジハタも得意。

ライトゲームのベーシック
宵姫爽がバージョンアップ

ライトゲームの歴史を変えた宵姫華のDNAを継承して、手に取りやすい価格ながら上位機種顔負けの使用感を備え、最高のベーシックモデルと言われた「宵姫爽」。発表されてから実に5年の歳月がたち、ついにバージョンアップを果たした。ライトゲームにおいて最も重要なのは、操作性と感度。その両者を、ゼロから再構築したのが“宵姫“シリーズ。そして今回の「宵姫爽弐」は、その思想を受け継ぎ、より幅広いシーンで“自分の感覚”を引き出してくれるロッドとして、完成度を高めている。不要なものをそぎ落とし、必要なものだけを研ぎ澄ませた「軽量・高感度」。その上で「握り・操作系」「感覚へのダイレクトな伝達」という人間側の出力を最大化する設計。これらが、ベーシックモデルながら、“上位機種顔負け”の使用感を実現している理由である。明らかにスペックが向上したという宵姫爽弐について、藤原真一郎に語ってもらおう。

右手に竿、左手に釣り上げたアジを手に笑顔を見せる藤原
夕焼けの中、竿を振るう藤原の影

感度をもたらす軽量化という名の正義
宵姫爽がバージョンアップ

まず、誰にでも分かる進化がロッド重量。

モデルによって異なりますが、数値的な進化として5g前後、軽量化されました。前作同様に宵姫たる軽量&高感度の使用感を維持するために、すべてのガイドにチタンフレームSiCガイドを使用するこだわりは維持しつつ、今回はさらにオリジナル設計のリールシートが搭載されています。

宵姫爽弐の穂先とボディ
夜釣り。ライトを受けて光る宵姫爽弐のボディ

また、見た目には分からない部分ではありますが、ブランク設計も見直され、より軽くハリ感が強く “しゃっきり” とするようになりました。さらに今回は69ULを追加し、機種数も増えました。この仕様、この性能で、この価格。ぜひとも騙されたと思って手に取ってほしいですね

ライトゲームを取り巻く環境と
“ベーシックモデル”の意義

近年、ライトゲームの世界はかつてないほど多様化が進んでいます。港湾の常夜灯下で手軽に楽しむ“豆アジ”から、潮通しのいい漁港の沖側、さらにはフロートやスプリットなどの中距離・遠投領域に至るまで、ゲームの舞台が広がり、リグの選択肢も増えています。こうした変化は、ライトゲームロッドに求められる性能にも変化をもたらしました。
しかし、そうしたスペシャリティなロッドが増える一方で、『まず一本揃えるなら、安心して使えて、なおかつ上位機種にヒケを取らない性能を備えたベーシックモデル』が求められているのも事実です。

堤防で夜釣りを楽しむ藤原の背中
魚が釣り上げられた瞬間。正面奥の藤原は笑顔を見せる。

その意味で、初代の「宵姫爽」が果たしてきた役割は大きい。

手に取りやすい価格帯ながら“軽量・高感度”というコア性能をしっかりと具現化していました。 そして、この宵姫爽弐は、そのDNAを継承しながら、さらに一歩先の使用感を達成しています

軽量化という“感覚”の深化

「5g前後の軽量化を実現したという数値は、ライトゲームロッドにおいては決して軽視できない変化です。たとえば、手元がわずかでも軽くなれば、ラインを張った時・フォール中・リフト中といった微細なリグの動きが手元に伝わる“タイムラグ”が減り、感度が自然と上がります。手にしてみると、前作の爽より“軽く・シャープ”に感じていただけると思います」

宵姫爽弐を手に持ち、笑顔で見つめる藤原
宵姫爽弐のボディ

オリジナル設計リールシートの
“握り”が生む世界

『軽快なロッドワークには様々なロッドの握り方、支え方が出来る事が重要』――

このシンプルな原理を、宵姫爽弐はきちんと体現しています。コンパクトに握れて軽量感のあるオリジナルリールシートは、手の収まりを良くし、なおかつグリップ&操作時の“手首・腕・ロッド”の連動を高めます。つまり、アングラー自身の“操作”をロッドがきちんと受け止め、海中の微かな変化を“感知”という行為に変換してくれるのです。
このような操作環境が整うことで、たとえば“テンションを掛けて送って落とす”“巻きを強めてUターンをさせる”“スローで送り込んでアタリを待つ”といった細かな動きが、より自然に、より無駄なく行えます。結果として「人間側の感度」が飛躍的にアップするのです。

夕暮れ時の釣り。竿とそれを操作する手元の影
宵姫爽弐の穂先

0.05mmの差が生み出す
ソリッドティップのアドバンテージ

宵姫爽弐はソリッドティップモデルとなっています。ソリッドのテーパー・長さ・太さなどが少し変わるだけで、ロッドの性格は大きく変わります。ライトゲームロッドのような繊細系のロッドであれば、わずかな調整であっても大きな影響となるのです。加えてロッドのトータルレングスやチューブラーサイドのパワー・テーパーなどを考慮すると、途方もない調整と検証が必要になります。

堤防に座り、両手に持った宵姫爽弐を見つめる藤原
薄暗い堤防で釣りを楽しむ藤原

実際に53FLや63ULの線径は0.05mm細く設計し直されています。この0.05mmという細かい仕上げがロッド全体の仕上がりに大きく影響してくるのです。見た目上の番手やレングスが変わらなくても、専用のチューンがほどこされ、より細分化するライトゲームシーンにマッチするようにリセッティングされています。

岩場に立てかけられた宵姫爽弐の各モデル

アジングの多様化に対応するため進化した爽弐

各地で“ギガアジ”の釣り方が確立されたり、逆に港湾奥の常夜灯下での豆アジアジングなど、アジングシーンは多岐にわたり、それぞれの地で釣法が提案・定着してきました。アジング黎明期には様々なリグやワーム、釣法が提案されては消えたり、一部はしっかり根付いたりと、それに合わせてロッドも様々な調子やレングスが提案されてきました。

そんなアジングの最前をカバーすべく今回追加したのは「69UL」です。

69ULは、近年再注目されている中距離のスプリットリグとかを視野に入れて追加しました。ジグ単のダイレクトな釣り感や、フロートを使った遠投先で潮を掴むような繊細な釣りはもちろん楽しいので、今最もメジャーな釣法だとは思うんです。ジグ単で釣れなかったらフロートをと思っている人も多いと思うのですが、ぜひともスプリットリグを使ってみるといいと思います。ボトムにアタリが集中している時こそ、中距離をナチュラルに探れるスプリットリグが有効になるんです。最近はされない方が多いからこそ、スプリットリグを69ULを使って試してもらいたいですね

堤防で釣りを楽しむ藤原の様子を引きで収めた写真

“華弐廉価版”ではない、新たなポジション

釣りを楽しんでいる藤原の影

よく誤解されがちなのですが、宵姫爽弐は単に【宵姫華弐】の廉価版ではありません

むしろ、華弐の尖ったピーキーな性能をマイルドに “誰もが使いやすいよう”にチューニングしたのが爽弐なんです。高感度&超軽量であることに変わりはありませんが使い手の感覚に自然と馴染んで、結果として人側の出力を最大まで引き出してくれます。
初心者には「ライトゲームの楽しさを深く味わえる1本」として、上級者には「新たなアプローチに1歩を踏み出すきっかけ」に係る流れとして選んでいただけます。そのバランス感が、宵姫爽弐の最大の魅力とも言えます。爽弐は6機種に増えて前作よりできるアプローチの幅が広くなりました。是非とも爽弐のポテンシャルを最大限引き出して欲しいです

宵姫爽弐のボディ

LUXXE 宵姫爽弐 Lineup

New 爽 弐のラインナップをご紹介

No.1 刺激的な辛口派53FL

もっとも短く繊細で素直に入るティップは極めて細やかなラインテンション操作を可能にするモデル。自分からアジングを組み立てていける人に向けた少しスパイスの効いたモデルとなっています。

53FL 製品画像 53FL 製品画像

No.2 万人うけのナチュラリスト58FL

小さなアジの“チッ”“サラ”といった細かいアタリを拾い掛けにいける、まさに攻撃的な宵姫シリーズを代表する1本です。
1g以下の軽量なジグヘッドでもキャストや操作がしやすくなっているので、より幅広いウェイトを1本で使いたい人に向けた、まさに王道の1本。

58FL 製品画像 58FL 製品画像

No.3 繊細系UL63UL

1〜3g程度と幅広いジグヘッドに対応し繊細で素直に入るティップは細やかなラインテンション操作を可能にしつつ潮流が絡むポイントなどラインに水圧がかかる状況でも使いやすい張りとパワーを備えています。

63UL 製品画像 63UL 製品画像

No.4 ULロッドの王道69UL

幅広いウエイトのジグ単に加え、中距離ゲームまでを1本で楽しめるロッドです。スプリットショット、マイクロジグ、マイクロプラグにも対応します。
定番の610レングスから1インチのショート化により軽快感が増しています。

69UL 製品画像 69UL 製品画像

No.5 ライトゲームの申し子73L

ライトパワーの王道を行くモデルです。足場もほとんど選ぶことなく、このモデルだけでライトゲームを網羅的に楽しむことが出来ます。ソルトライトゲームを遊び尽くしたい方に。

73L 製品画像 73L 製品画像

No.6 アジングにとどまらない78M

フロートリグでのアプローチを得意とするモデル。遠投による沖のブレイク、シモリなどの攻略を想定したパワーに設定。その他メタルジグ、プラグ類など様々なルアーが扱えるルアーキャパシティーの広さがあります。10g程度のフロートをテンポよく打っていく釣りにも最適です。

78M 製品画像 78M 製品画像

SPEC

品名コード 品番 タイプ パワー 標準全長(cm/ft) 希望本体価格(円) 標準自重(g) 仕舞寸法(cm) 使用材料(%) 継数(本) ルアーウエイト(g) 適正ライン(PE/号) 適正ライン(ナイロン/lb) 先径(㎜) グリップ長(㎜) JANコード
24800 S53FL-solid スピニング FL 160(5'3") 26,000 42 85.0 C99.5 G0.5 2 0.1~2 0.1~0.3 0.8~1.5 0.7 175 4549018808360
24801 S58FL-solid 173(5'8") 26,500 44 91.0 C99.5 G0.5 0.1~2.5 0.1~0.3 0.8~1.5 0.75 190 4549018808377
24802 S63UL-solid UL 190.5(6'3") 27,500 49 99.5 C99.5 G0.5 0.1~4 0.1~0.3 0.8~2 0.75 205 4549018808384
24803 S69UL-solid 206(6'9") 28,000 54 107.5 C99.5 G0.5 0.1~5 0.1~0.3 0.8~2 0.8 215 4549018808391
24804 S73L-solid L 221(7'3") 28,500 56 115.5 C99.5 G0.5 0.1~10 0.1~0.3 1~3 0.85 255 4549018808407
24805 S78M-solid M 234(7'8") 29,800 62 122.0 C99.5 G0.5 0.7~16 0.2~0.5 1~4 0.9 290 4549018808414

アジもメバルも、
シチュエーションもボーダーレスに ―――

実は本シリーズのメッセージのひとつに
「アジング専用ではない」という思想があります。

釣り人の中には「アジングは掛け、メバリングは乗せ」といった通説を信じてしまっている方も少なくありません。しかし、実際にはアジ・メバルともに“テンションコントロール”を通じてバイトを引き出し、掛けていく点では本質的には同じなのです。宵姫爽弐はアジングの枠を超えた“ライトゲーム全般の遊び方”の可能性を広げてくれます。足場が良ければ近距離、潮通しが良ければ沖の遠投、常夜灯下のタイトなポイントでもOK。ロッドを使い分ける知識がない初心者でも、宵姫爽弐を一本選べばその“広がり”を体感できます

釣り上げたメバルを手に笑顔の藤原の写真。藤原のサインが添えられている。