シーズンインは4月のチヌから
日本列島中ほどの日本海に浮かぶ稲妻マークのような形をした佐渡島は、新潟の西約45km沖に位置し面積は約850㎢。日本では沖縄本島に次ぐ大きな島で、周囲280kmの海外は釣り場に事欠かない。稲妻マークの上辺側、北東端の弾﨑から尖閣湾にかけての外海府海岸と、二見半島周辺は岩場が続き絶好の磯釣りフィールドになっている。
沖合を通る対馬暖流の恵みを受け魚種は豊富で型もよく、“黒鯛アイランド”の異名を持つほど魚影の濃いチヌをはじめ、マダイにグレ、ヒラマサ、イシダイ、カンダイなどを狙いに島外から訪れる釣り人も少なくない。
「水温が12度に上がってくる4月に入ると本格的な磯釣りシーズンです。居着きのチヌから釣れ始め、水温が上昇するにつれて乗っ込みに替わってきます」
そう話すのは佐渡市沢根で山田屋釣具店を営み佐渡島の釣りに精通するとともに、自身もフカセ釣りが大好きな三井宏志さんだ。
チヌのサイズは40〜50cmが主体で数が釣れ、過去には60cmオーバーの実績も高い。2月3月の低水温期をのぞいてチヌはロングラインで釣れる。
プロフィール
三井宏志(みつい・ひろし)
1967年佐渡生まれ。子供のころから釣りに親しむ。高校卒業後は東京で働きながらルアーとフライに夢中になる。
帰島後店を継ぎ本格的にフカセ釣りを始め、伊豆諸島の八丈島などへも遠征し尾長グレの腕を磨く。佐渡市沢根の山田屋釣具店店主。ブログ「魚信伝心」で佐渡島の情報を発信中。
マダイは1m、10kgオーバー
高千地区の沖の巫女で仕留めたマダイ80cm
古くからチヌと並びマダイも人気。1m、10kgオーバーの実績が高く、納得サイズが80cmというから豪快だ。5月中旬から6月にかけてが大型マダイのシーズンで、潮通しのいい沖磯を狙う。
沖の巫女での85.5cmと80cm
「近年、人気が高まってきたのが尾長グレですね。ここ5年くらい前から釣れ出しましたが42〜43cmから40cm後半までが普通に出ますからね。佐渡島の上物釣りはフカセ釣りが盛んでカゴ釣りはほとんどやらないんですよ。マダイ狙いの3号、4号ハリスがチモトで切られたりしてバラシが増えてきた。その正体が尾長だと分かったんです。マダイはタナも深いしポイントも遠いから打ち返しのインターバルが長いでしょ。尾長はタナが浅いし打ち返しも早い。最後まで抵抗を繰り返してよく引きますからゲーム性が高いとあって、地元でも狙う人が増えてきました」
2024年には尾長グレ53cmも
6月に入り水温が18度を超えるころに尾長はシーズンイン。太平洋側に比べて夏場の水温が低いので8月も狙えると思われるが、まだまだ尾長に関しては情報が少なく詳しいことは分からないとのこと。
「尾長は潮通しがいいマダイポイントでよく釣れますが、島内には尾長を狙っていないマダイポイントがまだまだたくさんあります。2024年には53cmも上がり尾長はこれからますます楽しみですね」
口太30〜40cmが入れ食い
高千地区の沖の巫女で仕留めたマダイ80cm
一方の口太グレは、古くから釣れていたが、型が小さくさほど人気はなかった。しかし、こちらも状況は変わってきている。
「昔は22〜23cmがアベレージで大きくて30cmちょいでした。40cmオーバーはうちの店でも年に1尾カウントするぐらい。それが年々大きくなってきて、尾長が釣れだした5年ほど前からはより顕著になってきましたね。いまでは40cmオーバーが珍しくないですし、50cmも上がっています」
口太グレの濃さは特筆もので、丸々と太った30〜40cmが入れ食いになることも少なくない。口太は5月から年内いっぱいOKだ。
ヒラマサは30kg超に期待
上物釣りでもうひとつ忘れてならないのがヒラマサだ。10〜20kgがターゲットだが、さらなる大物も上がっている。
「ルアー釣りでは27kgも出ていますね。30kgオーバーはいると思います。ただ、フカセ釣りだと5号ロッドでも、そんな魚に対してはライトタックルなので、獲るのは難しいかもしれませんが……」
矢柄の蟹ガ瀬で獲ったヒラマサ116cm、9kg
山田屋釣具店ではオキアミのボイルを常備しているので、九州で盛んなボイルを絞って撒き表層で喰わせる“ボイルヒラマサ”の猛者にはぜひ挑戦してほしいものだ。ヒラマサは5〜6月と10〜11月がシーズンだ。
ドラマは朝夕のまずめ時に
底物釣りではイシダイとカンダイがターゲット。イシダイは50cmオーバーが濃く60cmオーバーも上がります。カンダイは1m、10kgオーバーの実績があり、モンスター狙いとして人気が高い。エサのサザエも豊富なので心配ない。
さて、稲妻マークの右側にあたる内海府海岸から前浜海岸にかけては、海岸線を道路が走り地磯が少しある程度だが、北西風が吹く冬場の逃げ場になる。
「全体的に水深も浅いチヌ釣り場だったんですが、近年は40cmオーバーの口太グレが釣れるので侮れません。ウキ下1ヒロ半とか、そんな浅いタナで喰ってきます」
なお、佐渡島の海は干満の潮位差が小さいために満潮や干潮といった潮時は時合いにほとんど関係ない。
「潮の速さや角度が変わるちょっとしたタイミングや、朝夕のまずめ時にドラマが起こることが多いですよ」
岩場が続く外海府海岸。写真は藻浦のトド瀬から見る二ツ亀
手つかずの自然がいっぱいで食事もおいしく、魚影が濃くてスレておらず大型魚もたくさん潜む佐渡島へ、チャンスがあればぜひどうぞ。