「静かに沈む」という答えを見つけるまで35HOOKライトゲーム・ジグヘッドラグゼプロスタッフ 藤原 真一郎昔むかしの話になります。初めてデイゲームでアジの群れを見つけたとき、私は興奮のあまり手にしていたジグヘッドを即座に投げ込みました。けれど、それだけで群れが一瞬にして散ってしまいました。少しでも動きを伴えば、スパイラルに落とそうが、細かくシェイクさせようが、素早く直下に落とそうが、アジたちはすぐに距離を取ってしまいます。その様子を見て、まずは食わせることよりも「どうすれば彼らは逃げないのか」と考えたところから、本当の試行錯誤が始まりました。何度も何度も投げ、ワームを変え、角度を変え、軽くしたり重くしたり……。そしてあるとき、ロングワームで回転もせず、見た目の動きも生まれず、ただ静かに直下に沈んでいく動き。そのときだけ、アジたちが逃げないことに気付きました。群れの中にルアーが溶け込むようなあの光景は、今でも忘れられません。とはいえ、群れに紛れ込ませたからといって簡単に釣れるわけではありません。そもそも食い気のないアジたち。何百、何千というアジのうち、反応するのはほんの数匹。それでも、毎投それが起こることもあって─あの複雑な手応えが、この釣りの原点となりました。それ以来、様々なシーンで、アジを反応させることばかりでなく、群れを散らさないことを意識することで、自身の攻め手の広がりを実感しました。アジばかりではなく、大型のメバル狙いや食い気のないカマスなど、潜む魚やスイッチの入っていない群れに対して効果的な場面をいくつも体感して来ました。ただ、この釣り方は非常に繊細とも言え、ロングワームであったり、軽量ジグヘッドであったり、“静かに沈む” というコンセプトを保ちながら、「宵姫ステルスグライド」は、“静かに安定して沈ラインメンディングであったりと条件が限られていて、誰にでも簡単に再現できるものとは言い辛い。質問を受けても、言葉ではなかなか伝わらない。そのもどかしさを長く抱えていました。そうした想いを胸に温め続け、ついに形にできたのが「宵姫ステルスグライド」です。通常のジグヘッドサイズに落とし込むことも考えましたが、やはり原点である “大型のアジ” を意識し、ロングワームに対応する太軸フックとサイズ設定にしました。実際、この釣り方は大型アジだけでなく、さきに挙げたような良型・大型のメバルやカマス、さらにはロックフィッシュにも非常に有効で、むしろ通常のジグヘッドでは心許ないシーンをしっかり支え、補完する仕様としています。この釣りでは軽いジグヘッドが有利な場面が多いのですが、風があると途端に攻め難く、操作性が極端に落ち、また距離の必要なシチュエーションでは難易度が一気に上がります。その問題を解消するために、姿勢の安定とともに閃いたギミックがロングレッグアイ構造です。飛行時にも姿勢を安定させ、抜群の飛距離を実現。より軽量なウエイトでも広範囲をカバーでき、風のあるときでも狙ったポイントのボトムにプレゼンテーションできる性能を備えました。キャストの自由度まで高めた、新しい形状です。む” というたったひとつの答えを、誰もが再現できる形にしたジグヘッド。あの日、散らなかった群れ─その記憶が、すべての始まりでした。H O O K
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