F9特 集変わる先調子の常識3つのF3つのFine 釣行予定がシケで2度延期となり、3度目の正直で迎えた3月下旬、グレスペシャルF の最終テストのため久保野は南伊豆エリアへ向かった。 初日に上がった中木の白根は、産卵目前のナーバスな口太グレと、まだまだ元気な尾長グレが相手。さらに南からの波が残り北風が強く吹くという、まさに軽快な操作性と柔軟かつ強靱なファイトを実現するF調子のポテンシャルを試すにはもってこいのコンディションだ。 グレスペシャルF1.5号5mをチョイスした久保野は、なじめばウキごと仕掛が入っていく0ウキの全遊動仕掛をセット。船付きに釣り座を構えて、午前7時過ぎに釣りをスタートした。すぐさま竿が弧を描き、あっという間に 30cm ほどの 尾長グレを取り込んだ。1990年の誕生より脈々と受け継がれるグレスペシャルの血統。競技やGチューンと派生したグレスペシャルシリーズに加わったFという新コンセプトロッド。Fとは何か? グレスペシャルのFには3つの意味がある。 潮がゆっくり当ててくるなか、操作性のよさをいかして広角に仕掛を打ち込み深いタナまで探っていく。「軽くて操作性が い いですね。先短設計と相まってコントロール性能がよく、風があっても狙ったところへ正確にキャストできます。穂先が軟らかくてクニュっと抜け喰わせの精度を高める先調子先調子をしめすFast。魚を掛けるまでの優位性でいえば、シャンとした先調子に勝るものはない。穂先を短くした先短設計と相まって、正確無比な投入性能やラインメンディング性能は、がま磯の中でも屈指のレベルに仕上がった。沖の潮目やシモリへ向けて寸分違わず狙い通りに投入し、道糸を流れや風にとられぬよう軽快なラインメンディングを行えることで、必然的にヒット数が増加する。また、先太設計の導入によって、トレンドである大型ウキでのキャストも容易。飛距離もノーマル穂先に比べて13%ほどアップした。ウキを沈めて狙う際に明確にアタリを伝える穂先は、喰い込みもスムーズだ。1.5号5mをチョイス軽さによる繊細かつ巧みな操作性初代マスターモデル口太のFから受け継がれたFine。それは繊細かつ巧みな操作性を意味する。1号5.0m178gが示すように、現行のがま磯シリーズでも最軽量の部類であるグレスペシャルFは、グレ竿であるにも関わらずチヌ竿を持っているかのような感覚で操作できる。高活性時の手返しよいアグレッシブな攻めはもちろん、喰い渋るグレに対してのセンシティブなアプローチにも大きなアドバンテージを与えてくる。軽量であることはまた、長時間の釣りにおける疲労感を軽減し、集中力を持続させることで、より多くのヒットチャンスをメイクするのはいうまでもない。軽さと穂先が導く投入精度先調子竿にはなかった柔軟性先調子の磯竿の概念を根底から覆すFlexible。つまり柔軟性である。グレスペシャルFは、先調子の最大の弱点であるはずの強い張りを、最新の素材と独自の設計理論によって取り払ってしまい、先調子という言葉からは想像できないほどの柔軟さを実現している。典型的な先調子の竿は、魚を掛けた際に強い張りが発生し、それにあらがうように魚が暴れて竿を叩いてしまう。ところが、グレスペシャルFは、荷重にあわせて竿全体がしなやかに曲がり、魚の引きをしっかり吸収。竿が叩かないから魚が暴れずラインにも優しい。やり取りにおいても優位に立つことができ、取り込み率がアップする。早春の南伊豆でナーバスな口太と元気な尾長を制した新調子FastFlexible
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