2025磯カタログ
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特 集変わる先調子の常識3つのF7ine軽 快 な 先 調 子 を 求 め て 先短設計を導入する前の段階において、F調子はほぼ完成していた。ただし、順調だった開発にもコロナ禍がやってきた。そのことでスケジュールが一旦白紙に。しかし、それを千載一遇のチャンスととらえた。同時に開発が進行していた「アテンダーⅢ」のテスト釣行にて操作性の大幅な向上がみられた先短設計は使えない のか?元々操作性の い い先調子の竿に搭載すればどうなるか?と担当は考えた。ほんの少しでも変更を加えるとバランスを一から取り直す必要があったが、膨大な試作を糧に、ついに「X」タイプを完成させた。 「X」タイプをテストした猪熊は操作性のさらなる向上を実感した。ただし、以前に比べて現代の釣りは大きなウキの使用や遠投釣法が盛んになっている。正確性に遠投性能を加えて更なる進化を求めて、それに対応できるようにリクエスト。それは彼の真骨頂である、撒き餌とさし餌の完全な同調を行うには、再現性を伴う正確なキャストが欠かせないからだ。 そこで担当者は穂先 の 径に注目した。 キャスト時のウキの負荷にしっかりと対応できる径を採用した「Y」タイプに進化させることで、猪熊のリクエストに見事に応えてみせた。それに加えて、Yタイプには竿先にウルトラASDを搭載することで、継ぎ目の違和感を払拭。魚とのやり取り時にスムーズに支点が移動する。そして、決して妥協をしない猪熊が出した「Y」タイプへの GOサイン。それは、単純に数多くの作成したプロトロッドの中の 1本ということではなく、理想と現実がぶつかり合い、理想以上のものが仕上がった決定的瞬間だった。穂先の曲がりにも注目。見た目には合格ラインであっても、実際にグレを掛けたフィーリングがよくなければ猪熊のGOサインはでない。高い完成度に達していたプロト「E」タイプで取り込んだのは望外のマダイ。72cmの巨体が発したパワーに耐えた仕掛は道糸1.5号、ハリス1.7号、鈎はA1 TKOの5号だった。現代の釣りを考えて理想のさらにそのむこうに進化させよ調子をF

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