完成品を決める瞬間に立ち会う4 運命のフィールドテストがはじまった。舞台は長崎県五島列島の上五島・黒母瀬。最終判断を下す猪熊のロッドに貼られたテープには「125‐50Y」の文字が見える。Aからアルファベット順に振られた「Y」は、この試作ロッドの識別ワードであるとともに、その試作の数も表しているのだ。 1.25号5mを基準として、がま磯史上最軽量のブランク重量にて設計。たたき台として張りを重視した「A」タイプと、「がま磯 グレ競技スペシャルⅣ」程度の張りをもたせた「B」タイプ、軽量化を重視した「C」タイプの 3本からスタートした「ファイン(F)調子」復活プロジェクトは、完成まで実に5年以上の歳月を費やし数多くの試作ロッドが製作された。 「最初の 3本のうちイメージに近かった「B」タイプがベースとなり、竿タタキがでないことにフォーカスしたのが「D」タイプ。さらに竿を曲げたときのつなぎのわずかな違和感を排除した「E」タイプへと進化しました」とがまかつの担当者。最終プロトとなった「Y」タイプ。釣り師たちが思い描く夢に耳を傾け、どんなに些細な要望も決しておろそかにしない地道な作業の積み重ねが現代のF調子として結実した。最終GOを出した「Y」タイプ1.5号5.3mの穂先を見つめ、しっかりと調子を確認する猪熊。次々とアタってくる40cmクラスの口太に対峙することで、ロッドの完成度の高さを実感できる。4年ぶりに手にした「B」タイプ。「F調子」進化プロジェクトは張りを高めた「A」タイプ、グレ競技スペシャルⅣ程度の張りを持たせた「B」タイプ、軽量化に特化した「C」タイプの3本からスタートした。40本もの試作ロッドから
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