2025磯カタログ
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14 そうだ・あきひろ春・秋・冬は5㎏オーバーの石鯛を狙う大物石鯛師。シーズン中は所狭しと九州中を駆け巡る。一方で、酷暑の夏は男女群島や五島を中心に、夜釣りでクエ狙いに集中する。目標は30㎏オーバーを仕留める事。 切り立った崖の突端に備え付けられた剛竿は、その名もがまくえドーラ70 号。5.4m の長尺である。だが、その竿先は意外なほど細い。サバを丸一匹、鈎に刺し投入すると、その繊細な竿先が海面に向かってもたれるや、小刻みに震え海面に向かってお辞儀するも、舞い込むにはいたらない。やれやれウツボがジャレているのかと、竿掛けから外し竿をあおると一気に絞り込まれた。 まさかのスタンディングファイトになってしまったが、10㎏に満たないクエでは早田とドーラの敵ではなかった。こうして真昼に仕留めた1本は前哨戦に過ぎず、その晩に2 本、翌晩に1 本、見事なまでに竿を舞い込ませ、わずか1釣行で4本ものクエを仕留めてしまった。「昨今の男女群島では、ボウズはめったにないですよ。ただ、デカいのを狙うとなれば、実は九州本土に近い磯が決戦の場となります」 意外に繊細な中小型 の 喰 い 渋りに対する穂先の喰い込みや2番、3番へのスムーズなつながりを確認でき、自信を深めた早田。「強度テストは万全ですし、次は夢の 30㎏オーバーを仕留めたかですね」「これはクエばいっ」もはや幻ではない!?急速に生息数を伸ばす荒磯の王者・クエに挑む早田昭浩

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