8月24日、「がまかつ鮎釣り登龍門2025」が福井県九頭竜川にて開催。満18歳から45歳以下までの116名が参加。内訳は18〜20歳代が31名、30歳代が42名、40歳代が43名で鮎友釣りの優れた技術と実績があり、人格、指導力、将来性を兼ね備えた、これからの時代を背負っていくであろう若き釣り人たちが全国から集まった。
競技は釣り上げた鮎の総匹数(オトリを含む)で順位を決定し、同匹数の場合は重量の重い方を上位とする。使用する竿はメーカーを問わず、ハリはがまかつバリを使用するという規定だ。大会エリアは鳴鹿大堰下流から福松大橋上流の間で、徒歩での移動が原則。
今年の九頭竜川は天然遡上も良好。ただ、やや鮎の型が小さめという状況であったが、数釣りが期待できるため、かなりのデッドヒートが予想された。
試合は午前8時から12時までの4時間勝負。午前7時から大会本部で開会式が行われ、その後、選手たちはオトリ3尾を受け取り、ゼッケン番号の若い順に思い思いの場所へと散らばった。
朝から好調に掛けていく選手がいる一方で、当初は調子がなかなか上がらない選手も…。しかし、九頭竜川の時合いの定説通り、午前9時を過ぎる頃には一様に白熱した釣りへと展開。大会本部に近い五松橋付近に陣取った選手は「九頭竜川には毎週来ているので、浅めのところがいいなと思ってチャラ瀬を狙っています。引きすぎず、泳がせてあげる感じです。よく釣れるので、いつものイメージで数を狙いますよ」と意気込みを見せる。
さらに下流の福松大橋から上流部の鳴鹿大堰間のポイントに散らばった選手を見て回ると、次々に鮎が仕留められる光景が見受けられ、下馬評通りの好調を実感できる釣れっぷり。
特に目を引かれたのが、五松橋から福松大橋の中間部にある分流のポイントに入っていた2名の選手。ここで圧巻の入れ掛かりを演じていたのは、牛島選手と村山選手だった。オトリを入れるとすぐに掛かるわ掛かるわ。流心を狙わず石色の良いヘチ中心に狙いを定めて会心の釣りを展開していた。
ヘチ狙いが一つのテーマになりそうなこの日、上流部のポイントで竿を出していた森本剛浩選手もそれを実感していた。「今日はとにかくヘチ釣りですね。ヘチの方が石色がいいなと思います。流心も探ってみましたが、一部しか釣れなくてそこをハズすと全然釣れないということもありますから。」
57尾の釣果で、3位となったのは三重県から参加したこの森本剛浩選手。「入ったのは上流の幼稚園前の右岸側。九頭竜川は大きい川ですけど、普段自分が三重県の大内山川などでやっているような道具立てで普段通りの引き釣り泳がせでやりました。自分の釣りが思う存分にできたので、それは良かったかなと思います。またチャレンジしていきたいですね」
65尾で準優勝となったのは岐阜県から参加の村山公一選手。「ラインはナイロンの0.2号でちょっとした大石がある石色のいいところだけを狙っていました。今年、九頭竜川はまだ2回目で、昨日も釣っていたのですが、浅いところでめちゃくちゃ掛かりました。今日は流心もちょっと触ったんですけど、そこは捨ててヘチ狙いでいいなと思っていましたね。ヘチの方がサイズも良くて、ラスト3時間くらいはひたすらヘチを徹底的に攻め、結構良いペースで釣れました」
そして、67尾という成績で優勝したのは岐阜県から参加した牛島一将選手。「入った場所は2位の村山選手と同じ場所です。自分もヘチを徹底的に泳がせました。朝は上飛ばし(自分よりも上流でオトリを泳がせる釣り)がとにかく掛かりましたね。1時間で25尾くらいは釣っていたと思います。ホームグラウンドは長良川で、いつも泳がせを中心に釣りを組み立てています。オトリが弱ったら自分より下を釣って、オトリが替われば上飛ばししてという釣りで、今日はその上飛ばしがハマって、入れたらすぐ掛かる感じでボコボコに掛かりました」牛島選手は登龍門の代表として2026年のG杯の出場権を獲得。「いつも通り、自分の泳がせ中心の釣りで組み立てて頑張りたいと思います」と意気込む。
最後に、田嶋剛審査委員長が次のように締めくくった。「とにかくみなさん掛けて掛けて掛けまくって、こんなに釣れた大会は今まであまりなかったのではと思います。全体の釣果は3,479尾。最長寸は26.7cm。平均釣果が30尾以上。トップ10は46尾以上の釣果。20位までは41尾以上。30位までが38尾以上。40位までが35尾以上。50位までが33尾以上。60位までが30尾以上。70位までが27尾以上。80位までが25尾以上。90位までが18尾以上。100位までが16尾以上。みなさん日々技術の向上のため努力されているのがうかがえます。記録に残るくらいの釣果で九頭竜川のすばらしさを実感できた大会でした。」
総合成績
順位 | 氏名 | 住所 | 匹数(匹) | 重量(g) |
優勝 | 牛島一将 | 岐阜県瑞穂市 | 67 | 2,693 |
準優勝 | 村山公一 | 岐阜県岐阜市 | 65 | 2,619 |
第3位 | 森本剛浩 | 三重県松阪市 | 57 | 2,220 |
世代別成績(20代)
順位 | 氏名 | 住所 | 匹数(匹) | 重量(g) |
優勝 | 村山公一 | 岐阜県岐阜市 | 65 | 2,619 |
準優勝 | 丹羽貴久 | 奈良県奈良市 | 52 | 2,384 |
第3位 | 谷口優人 | 京都府京都市 | 48 | 1,822 |
世代別成績(30代)
順位 | 氏名 | 住所 | 匹数(匹) | 重量(g) |
優勝 | 山内裕太 | 岐阜県岐阜市 | 49 | 2,212 |
準優勝 | 本田裕太郎 | 三重県度会郡 | 44 | 1,470 |
第3位 | 水村佑太 | 東京都羽村市 | 43 | 1,574 |
世代別成績(40代)
順位 | 氏名 | 住所 | 匹数(匹) | 重量(g) |
優勝 | 牛島一将 | 岐阜県瑞穂市 | 67 | 2,693 |
準優勝 | 森本剛浩 | 三重県松阪市 | 57 | 2,220 |
第3位 | 藤井貴之 | 愛知県名古屋市 | 50 | 2,096 |