G杯 2015

第36回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権 大会結果報告

2015-01-28

大会結果

大会

第36回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権

主催

株式会社 がまかつ

開催日

平成27年10月4日(日)、5日(月)

開催地

徳島県徳島市 小松海岸

遠投攻めに徹した香川勇治選手(52=新潟・野積海岸)が念願のG杯を獲得!

「第36回G杯争奪全日本がま投(キス)選手権」(主催・株式会社がまかつ)は10月4日、5日、徳島市の小松海岸で開催。全国6地区から予選勝ち上がりの36選手(シードを含む)がキスの総匹数を競った。決勝戦は7日の12時20分から予選を勝ち抜いた8選手が北風が吹き肌寒いなか1時間半戦い、7色超の遠投攻めの香川選手が9投で5匹釣り、3匹の渡辺慎二選手(52=福岡・新松原海岸)を抑えて初優勝。3位には2匹同数の総重量4g差で小島健治選手(47=神奈川・大磯海岸)が入った。順延で今年5月に行われた「第35回大会」(高松北部海岸=石川・かほく市)優勝の伊藤貴之選手(38=シード)はポイントが絞り切れず予選で敗れた。

【ヒーロー 香川勇治 選手】

香川勇選手 顔写真

フルスイングで7色超の飛距離を確保し、150mまでのかけ上がりを止め釣りで攻める。決勝戦の開始2投目で2匹掛け、3投目で1匹追加。「この距離を攻めるしかない」。香川選手は自分に言い聞かせるように、穂先に全神経を注ぎ込みキスのアタリを効く。だが、その後、徐々に飛距離が伸びなくなった。3日に徳島入りして2日間の試し釣り。予選、決勝戦と投げ続けたことで体が疲労のピークに達していたのだ。距離を保つためハリ数を8本から6本に、足が引きつり始めた終盤には4本に落とすことで何とか7色超の距離をキープし、計5匹食わせて逃げ切った。
「とってもうれしいです。僕の目いっぱいの距離で釣れましたから」。
表彰台へは引きつる足をかばいながら上がり、18年間挑戦し続けて初めて頂点に立ってG杯を手にしたことを素直に喜んだ。

決勝戦では「どの距離を釣ろうか1番悩んだ」が、予選では3回戦に遠投で13匹釣る大逆転で2位通過。迷いを吹っ切り「目いっぱいの所を釣るしかない」と正解を導きだした。本格的にキス釣りを始めて20年。師匠はいない。「必釣 投げ釣り専科 実践釣りテクニック(松本恒雄著、寺沢守監修)を「バイブルとして読みあさり」2年目からG杯地区予選にも挑戦した。だが、その壁は厚い。初めて全国大会に出場した08年(山形・湯野浜海岸)、翌09年(鳥取・浜村海岸)はいずれも予選落ち。そして18年挑戦し続けて3度目出場を果たしたキス釣りの聖地ともいえる徳島で念願のG杯を手にした。「僕のバイブルの地ということで思いも強い」と感慨深げに話す。
キス釣りは「一生懸命投げて釣るのが楽しい。もちろん近い所も釣りますが」と笑う香川選手。「楽しかった。まさか勝てるとは思ってもなかったから来年も(大会で)釣れるのがうれしい」。足の痛みを忘れたかのような笑顔がこぼれた。

【竿】
がま投 競技スペシャルII 35号 4.05m

細身だが、従来の竿よりパワーがあり、遠投釣りが好きな僕には最も扱いやすい竿だ。細くて、軽くて、しなりも感度も抜群だから小型のキスでもアタリはとりやすい。食いアタリが手に伝わってくる感触が味わえる。
大会の予選は北風が強かったが、あえて細身のこの竿を選んだ。軽いから、投げるときにうまく風を切ってくれるようなイメージがあるからだ。多少の風なら負けることはないし、ブレることもない。
今回、決勝戦の終盤は飛距離こそ落ちたが、僕の年齢を考えると、試し釣りから決勝戦まで3日間、思い切り振り続けられたのも竿のパワーと軽さと扱いやすさのおかげだと思う。手放せない竿だ。

【ハリ】
細地袖 2.5号、3号
秋田袖 3号

大会では予選の1回戦は「秋田袖」、2、3回戦と決勝戦は「細地袖」を使った。「細地袖」は、懐(ふところ)幅が広く、少しの力で刺さってくれることから選んだ。普段でも小さい魚や食いが渋いときには迷わず使用する。掛かってきたキスを確実に回収することを考えた。決勝戦の終盤、「2.5号」を使い切ったことと大きなキスに期待して軸の少し太い「3号」も使った。外道が掛かっても折れることはないし、しっかり口の中で掛かる安心感がある。今回は使わなかったが「シロギスファイン」の4~8号も用意していた。このハリも軸が細く刺さりも抜群で、当然エサが付けやすいことで、僕にとっては大切なハリのひとつだ。

【香川選手 プロフィール】
香川 勇治(かがわ・ゆうじ) 1963年(昭和38年)8月10日生まれ、52歳。宮城県大崎市在住。農業。キス釣り歴20年。シーズン以外は砂浜からイシガレイ、アイナメを狙う。また、飛距離を維持するためキャスティングの競技にも参加する。ホームグラウンドは山形・酒田海岸、神奈川・湘南海岸など。石巻サーフ所属。

談話

2位・渡辺慎二選手
(2位は)十分です。決勝戦は群れが入り当たれば5、6匹釣れる感触はあったが、下見のときから決めていた遠投1本で攻めた。イシゴカイ、遠投オンリーと自分のスタイルを貫き通した結果の順位に満足しています。
竿=がま投 競技スペシャル33号 4.05m ハリ=狐3号 エサ=イシゴカイ。
3位・小島健治選手
決勝戦は迷ってしまった。1投目で2匹釣れ、その後はずっと釣れず悩んだ。1時間半がすごく長く感じた。ポイントが絞りきれなかった。
竿=がま投 競技スペシャルII 35号 4.05m ハリ=金袖5号 エサ=イシゴカイ
矢野勝彦審査委員長
予選は爆弾低気圧が通過した後、海の荒れ残りが気になったが思いのほかよく釣れた。各選手とも「食いが渋い」という前情報があったせいか、かけ上がりを時間をかけてじっくり探り、しっかり釣果を出した。決勝戦は潮止まりだったこともあり、厳しい戦いになった。持ち時間が短いこともあるが、1投ごとにもっと時間をかけて気長に引いてもよかったのではないか。渋い状況で優勝された香川(勇治)選手ら3選手は持てる実力を十分発揮してくれた。

決勝戦

順位 ゼッケン 氏名 地区 合計尾数 合計重量
優勝 31 香川 勇治 野積海岸 5 161g
準優勝 12 渡辺 慎二 新松原海岸 3 142g
3位 27 小島 健治 大磯海岸 2 139g
4位 20 猪熊 洋典 シード 2 135g
5位 18 石黒 博士 福田海岸 1 136g
6位 8 大野 正浩 福田海岸 0 0g

予選結果

【A組】
ゼッケン氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計尾数重量順位
第1エリア第2エリア第3エリア
1青塚 和弘高松北部海岸1179  
2鍋田 裕輔高松北部海岸1214  
3二宮 茂樹大磯海岸43411  
4梯 和也シード106319  
5伊藤 守シード84315  
6石川 雅啓小松海岸53311  
7舛村 美和福田海岸510520  
8大野 正浩福田海岸11111739 1
9伊藤 貴之シード2114  
10折本 健治小松海岸62210  
11込尾 晴之福田海岸1179  
12渡辺 慎二新松原海岸106723 2
【B組】
ゼッケン氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計尾数重量順位
第2エリア第3エリア第1エリア
13吉野 海洋シード5016  
14杉澤 秀樹高松北部海岸93517  
15山元 隆高松北部海岸3429  
16広瀬 政春野積海岸161017  
17早坂 直人野積海岸23510  
18石黒 博士福田海岸331218 2
19佐野 功福田海岸1157  
20猪熊 洋典シード411621 1
21斎藤 誠野積海岸5128  
22高田 雅樹高松北部海岸39517  
23岩下 正博大磯海岸52411  
24穴田 博也小松海岸4037  
【C組】
ゼッケン氏名代表会場1回戦2回戦3回戦合計尾数重量順位
第3エリア第1エリア第2エリア
25野涯 孝幸新松原海岸1034  
26宮坂 一高高松北部海岸66113  
27小島 健治大磯海岸102921 1
28和田 満雄大磯海岸84315  
29村山 賢二大磯海岸27413  
30木谷 真一新松原海岸132318  
31香川 勇治野積海岸611320 2
32伊藤 勇福田海岸85518  
33高橋 雅孝大磯海岸4408  
34桜井 良紀野積海岸2024  
35森 英樹大磯海岸54211  
36稲葉 敦彦福田海岸41813  

※敬称略

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