G杯 2018

第37回G杯争奪全日本がま磯(チヌ)選手権 大会結果報告

2018-01-13

大会結果

大会

第37回G杯争奪全日本がま磯(チヌ)選手権

主催

株式会社 がまかつ

開催日

平成30年9月2日(日)~3日(月)

開催地

広島県 広島湾一帯

愛媛県勢初!
10年以上挑み続け遂に頂点へ!
中国地区の連勝19でストップ!

神色自若と動じない釣りを通した児嶋秀一選手(56・今治沖II)が、初出場で見事G杯を手にした。
「第37回G杯争奪全日本がま磯(チヌ)選手権」(主催・株式会社がまかつ)は、9月2、3日広島県の同湾一帯の磯で行われた。地区予選の秋田・男鹿、神奈川・茅ケ崎、長崎・九十九島、大会初の沖縄・西崎一文字などから勝ち上がった36選手(シード、がまかつ推薦を含む)が参加、25cm以上の釣技を競った。台風接近の影響で日程を短縮、競技方法も変更して行われた。
3日午後1時45分からの決勝戦は阿多田島の「外浦のスベリ」で3選手によって2時間総重量を競い、児嶋選手が終了2分前に唯一980gを食わせ優勝、第18回大会(1999年・兵庫・家島諸島)の南康史選手(49)から続いた中国地区の連続優勝記録を19で止めた。四国地区の優勝は松田稔氏(1996年、第15回大会・香川・小豆島東)以来22年ぶりで、5人目。愛媛県出身の優勝は初めて。2位には規定により予選で合計4100g釣った初出場の菅野雅之選手(38・徳山)、3位には同4040gの小川達矢選手(37・今治Ⅰ)が入りそれぞれシード権を得た。5年連続表彰台の期待がかかった昨年優勝の波多瑞紀選手(38・シード)は、予選1回戦の取りこぼしが響いた。

【ヒーロー 児嶋秀一選手】

児嶋秀一選手 顔写真

一度は出てみたかったG杯

前触れはあった。刺しエサのオキアミの頭がかじられている。終了5分前のコールを聞きながら、疲れから来る腕や指の引きつりに耐えながら30m沖へ仕掛けを打ち込む。期待した潮がわずかに西へ流れ始めたとき愛用の棒ウキが勢いよく海面下へ引き込まれる。獲物の締め込みをかわし、ゆっくり浮かせてタモに滑り込ませた。良型チヌ。淡々とした一連の動作によどみはなく、自信に裏打ちされたベテランらしい釣り方だった。

表彰台に立った感想を「うれしいのですが、この年になって上がるところではないです。もっと若いころならー」と、控えめに話した。「G杯には一度は出てみたかった」。出合いはまだグレ釣りに夢中だったころ行きつけの喫茶店。「マスターが釣り好きでG杯にも挑戦していた」ことで、いつも仲間らと大会の話などで盛り上がり、自然と頭の片隅に残る。
チヌ釣りは仕事の仲間で釣りクラブ「釣和会」の会長でもある渡辺和夫さん(2002年、第21回大会・兵庫・家島諸島・準優勝)に誘われ、本格的に始めて13年になる。その渡辺さんに背中を押され「地区予選に挑戦した」。10回以上挑み続けて初めて全国大会への道が開けた。

前夜祭では「メンバーを見ておじ気づいたけど1匹でも釣るよう頑張ります」。予選の初戦こそ共に釣果なく引き分け。2回戦は伊東治樹選手(54・九十九島)に、3回戦も石川直也選手(42・西崎一文字)に快勝し、2勝1分けで勝ち上がった。決勝戦では遠投に徹した攻め。ウキにまきエサをかぶせ、エサ取りの活性も上げてチヌの食いを誘う「自分なりの釣り方」で終了2分前に980gを仕留めた。5、6年前に円すいウキから「アタリが見えやすい」棒ウキに替え、会心の合わせが晴れ舞台へつなげた。

来年は「もちろん自分の釣りをするだけです」と言う。ホームの今治はチヌの魚影が濃く、流れの速いところや浅場、深場と変化に富んだ釣り場が多い。「釣りの経験を積んで、自分の引き出しを増やしていく」こと。そして「G杯を念頭に」刺しエサもネリエのほかオキアミも使い「楽しみながら技術を磨き、挑戦者の気持ちでのぞみます」。
スキルアップした児嶋選手の連覇と永年の実績を生かして「G杯グレ選手権」出場をも期待したい。

【竿】継番の段差を極限まで減らした「SUPER ASD」搭載
ロッド全体で魚の突進を受け止め「ジワーっと」浮かす!
がま磯 アテンダーII 1号 5.0m

胴調子で釣った魚を浮かせてくれる竿が欲しかったので、いろいろ探して決めました。もう5、6年前になると思います。最初は、もう少し細手にしようかと思いましたが、グレ釣りにも使えるかなと考えて1号を選びました。とにかく粘りがあって強いのが気に入っています。魚を掛けたあと磯際で不意に突っ込まれても竿がしっかり受け止めてくれ、またジワーっと魚を浮かせてくれます。期待以上の竿です。最近のチヌ竿と比較すると少し重たいのですが、私は全く気になりません。大好きな竿です。これからも使い続けます。

【ハリ】高強度素材「A1」採用
遠投するときエサが抜けにくい「ケン付き」
A1 遠投チヌ 3号

遠投ができて「返し」のあるハリをと選んだのがこの「遠投チヌ」です。遠投するときエサが抜けにくいので「ケン付き」は絶対と言っていいほど必要です。刺さりも申し分ありません。地元では普段から3号をメインに使います。今回は2、4号も持参しましたがほとんど使わず予選から3号で通しました。この前、マダイの70cmオーバーも取り込みましたが、ビクともしませんでした。強度があり、私はこれまで一度も折れたことがありません。この先も安心してずっと使っていきます。

【児嶋選手 プロフィール】
児嶋秀一(こじま・ひでかず)
1962年(昭和37年)4月7日生まれ、56歳。愛媛県松山市在住。自営業。
GCS、釣和会、GFG愛媛支部所属。チヌ釣り歴13年、グレ釣り歴35年。
ホームグラウンドは愛媛・今治一帯の磯。夏場は面河川などでアユ釣りもする。

談話

2位・菅野雅之選手の話
初めての大会出場でしたが、予選は地形やポイントを知っていたのが強みで、思った釣りができました。決勝戦は手前にチヌがいるのが分かっていました。エサ取りが多かったのですが手前を釣るのが好きだから、仕掛けを沖から手前にジワーッと引っ張って来て食わせるなど沖と手前をローテーションで攻めました。でも最後までエサ取りをかわし切れずチヌの食いを誘えなかったのは残念です。阿多田島は苦手です。来年はシード権がありますので、もっと技術の精度を上げて頑張ります。
3位・小川達矢選手の話
悔しいです。大会ではゆっくり釣るつもりでしたが1日の競技に変更されたので、絶対負けられないと思い集中して予選3試合にのぞみました。ただ、決勝戦は予選に集中し過ぎて疲れてしまいました。決勝戦は他の人と違うことをしようと思って、遠くへ投げたかったのですが、まきエサ作りで水の配合を間違えてしまい、手前でバラけてしまって狙った沖へ投げられなかったです。自分のしたい釣りができなくて残念です。これからは、どんな状況でもまきエサが作れるよう勉強します。
岩本敬昭審査委員長の話
会場を広島湾に移しました。ただ台風接近のため安全を考慮して1日の釣りになってしまったのは残念です。
予選は3試合で7kg近く釣った選手をはじめ5kgオーバーが4人出るなど一部では好釣果もありましたが、エサ取りがわき苦戦されて釣果なしの選手もみられるなど場所ムラがありました。厳しい状況のなかで行われた決勝戦では児嶋秀一選手が終了間際に1kg近い型を釣られ、中国勢の連勝にストップを掛け初めてG杯が愛媛県へ行きました。見事でした。
大会を振り返ると初出場の人がしっかり研究して参加され、釣果をあげていることから一層、技術の地域差がなくなったように思います。今回、初めて沖縄から2人の選手が参加され頑張られました。今度は北海道からの参加を期待し、交流の輪を広げたいものです。

決勝戦

順位No.氏名代表会場重量(g)匹数(参考)予選結果
ポイント総重量(g)
優勝33児嶋 秀一今治II9801232,420
準優勝1菅野 雅之徳山00304,100
3位24小川 達矢今治I00304,040

順位決定戦

順位No.氏名代表会場重量(g)匹数(参考)予選結果
ポイント総重量(g)
4位12原中 大輔九十九島00303,940
5位13三宅 悟徳山00303,240
6位23豊高 巌今治I00222,520

予選リーグ戦結果

【1組】
No.氏名 123456結果
1菅野 雅之
徳山
勝敗   3-0-0
ポイント 101010  30
重量 1,1802,360560  4,100
2髙畑 弘紀
尾鷲
勝敗   2-1-0
ポイント0 10  1020
重量0 2,060  1,3003,360
3清川 学
男鹿
勝敗××  × 0-3-0
ポイント22  2 6
重量780880  1,74003,400
4大塚 和裕
富浦
勝敗   0-3-0
ポイント0   000
重量0   000
5松下 好博
若狭大島
勝敗   ×2-1-0
ポイント  1010 222
重量  5,280660 8206,760
6篠原 武
蒲生田
勝敗   2-1-0
ポイント 0 1010 20
重量 009405,040 5,980
【2組】
No.氏名 789101112結果
7北島 悠
富浦
勝敗 ×  2-1-0
ポイント 10102  22
重量 1,7802,1401,340  5,260
8加藤 和義
牛窓
勝敗×   ×1-2-0
ポイント2 10  214
重量1,300 620  7002,620
9久保野 孝太郎
シード選手
勝敗   0-3-0
ポイント00  0 0
重量00  0 0
10南 康史
がまかつ推薦
勝敗   2-1-0
ポイント10   10020
重量2,300   64002,940
11真鳥 仁文
九十九島
勝敗   1-2-0
ポイント  100 010
重量  1,7000 01,700
12原中 大輔
九十九島
勝敗   3-0-0
ポイント 10 1010 30
重量 800 7002,440 3,940
【3組】
No.氏名 131415161718結果
13三宅 悟
徳山
勝敗   3-0-0
ポイント 101010  30
重量 5802,420240  3,240
14同前 敦史
牛窓
勝敗   0-1-2
ポイント0 3  36
重量0 0  00
15黒野 直樹
尾鷲
勝敗   0-1-2
ポイント03  3 6
重量00  0 0
16鈴木 博幸
茅ヶ崎
勝敗   1-1-1
ポイント0   10313
重量0   1,84001,840
17真崎 芳弘
家島
勝敗  × 0-1-2
ポイント  32 38
重量  0920 0920
18加藤 孝治
茅ヶ崎
勝敗   0-0-3
ポイント 3 33 9
重量 0 00 0
【4組】
No.氏名 192021222324結果
19湯浅 真治
蒲生田
勝敗   2-1-0
ポイント 01010  20
重量 01,8003,500  5,300
20重見 正人
牛窓
勝敗   ×1-2-0
ポイント10 0  212
重量740 0  1,0001,740
21大島 桂
今治II
勝敗×   1-1-1
ポイント210  3 15
重量1,2202,220  0 3,440
22鷲田 陵
尾鷲
勝敗×   1-2-0
ポイント2   10012
重量1,340   54001,880
23細川 淳
若狭大島
勝敗   0-2-1
ポイント  30 03
重量  00 00
24小川 達矢
今治I
勝敗   3-0-0
ポイント 10 1010 30
重量 2,560 560920 4,040
【5組】
No.氏名 252627282930結果
25長谷川 一也
男鹿
勝敗   1-1-1
ポイント 1030  13
重量 46000  460
26波多 瑞紀
シード選手
勝敗   1-1-1
ポイント0 3  1013
重量0 0  560560
27川上 修治
シード選手
勝敗  × 0-1-2
ポイント33  2 8
重量00  780 780
28豊高 巌
今治I
勝敗   ×2-1-0
ポイント10   21022
重量1,580   3206202,520
29平井 稔之
家島
勝敗   2-1-0
ポイント  1010 020
重量  1,480660 02,140
30小嶋 成己
徳山
勝敗   1-2-0
ポイント 0 010 10
重量 000780 780
【6組】
No.氏名 313233343536結果
31伊東 治樹
九十九島
勝敗   2-1-0
ポイント 10010  20
重量 7800680  1,460
32石川 直也
西崎一文字
勝敗   0-2-1
ポイント0 0  33
重量0 0  00
33児嶋 秀一
今治II
勝敗   2-0-1
ポイント1010  3 23
重量1,4201,000  002,420
34藤本 広
尾鷲
勝敗   1-1-1
ポイント0   10313
重量0   8000800
35元佐 裕亨
家島
勝敗   0-2-1
ポイント  30 03
重量  00 00
36奥間 義諭
西崎一文字
勝敗   1-0-2
ポイント 3 310 16
重量 0 01,220 1,220

※敬称略

表の見方

 
勝敗
ポイント
重量(g)
  • ☆チヌを釣って勝った場合=勝敗欄○印で10ポイント
  • ☆チヌを釣って負けた場合=勝敗欄×印で2ポイント
  • ☆チヌを釣って引き分けた場合=勝敗欄△印で5ポイント
  • ☆チヌの釣果なしで引分けた場合=勝敗欄▲印で3ポイント
  • ☆チヌの釣果なし負けた場合=勝敗欄≠印で0ポイント

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