釣果
マダイ3尾 クロダイ2尾
がまかつ 船インストラクターの田中義博です。
この時期、私が傾倒しているのが、東京湾口部で盛り上がりを見せるオキアミコマセで狙うマダイ釣り。
水温の上昇とともにノッコミの時期を迎えるとあって、狙うタナも上ずってくる。
大型の出現確率も上昇し、自己記録更新が狙えるとあってマダイファンの注目度も高くなり、
同所を狙う各地のマダイ船は、どこも賑わいを見せています。
しかし、ノッコミ期は産卵を控えているため、ナーバスなマダイを狙うことが前提となる。
コマセマダイ釣りの基本となる船長からの指示ダナよりもビシを下げずに待つことを徹底することに加え、
ビシや仕掛け、付けエサにおいても海中での派手な動きを抑えて狙うことが、
マダイに口を使わせる近道になる・・・と、個人的には考えています。
そのノッコミの気配が濃厚になってきた4月6日。このコマセマダイ狙いで金沢漁港の船宿から出船してきました。
当日の潮汐は小潮で満潮が午前7時半過ぎ、干潮が午後5時半頃。実釣時は湾奥から湾口へと潮が流れ、風は南寄りで最大で6m前後。船はスパンカーを立てず、船首を潮上側の北に向け、午前8時に実釣スタート。
私の釣り座は左舷ミヨシ。トモ寄りに潮が流れ、サオ先もトモに振られる状態。
水深は48mで船長からの指示ダナは仕掛け全長10mを基準に海面から23m。仕掛けが潮流の影響を受けないと仮定すると、33m付近に付けエサのオキアミを漂わせて、食い気のあるマダイを底付近の層から浮かせて釣る・・・というイメージになってくる。
その中、最初に私がセットしたのは「真鯛 吹流しテーパー1本鈎12m(ハリス4号)」。潮上の釣り座で、潮流の影響もあり、仕掛けが吹き上がってしまうと想定し、ハリ上2mの位置に付属のガン玉を1つセット。仕掛けを海中で立てるイメージで、指示ダナプラス2mの海面から21mにビシ位置をセットしてスタート。仕掛けが馴染むのを1分ほど待って、落とし込みの誘いを2mというルーティンで何投かコマセの打ち返しをするものの、エサ取りを含めて付けエサが取られる様子はない。付けエサがマダイの層にまで届いていないことが考えられたため、テーパーの接続部にもさらにもう1つガン玉をセット。海中での仕掛けの傾きを変化させる事を目的に仕掛けをさらに重くしてみる。しかし、この状態で数投コマセの打ち返しをしてみても付けエサが取られる様子はない。
真鯛吹流しテーパー
そこで、重い仕掛けでは、海中で付けエサの角度が不自然な状態なのかもしれない・・・と仮定し、ガン玉を全て外して同じルーティーンで釣りを続行。すると、ここで初めてオキアミの頭だけが切り取られるマダイのついばみが発生。考えられたのは重い仕掛けでは、活性の高いマダイの層を付けエサが通過してしまっていたのではないか・・・ということ。その後、軽い仕掛けで釣り続けるものの、マダイの本アタリにはなかなか繋がってこない。
がま船 シーファング マダイ

当日最大となった2.1kg
思考を巡らせて、この状況で長い仕掛けの選択が間違っているのかもしれない・・・と仮定し、「真鯛 吹き流しテーパー1本鈎10m(ハリス4号)」の仕掛けにチェンジ。指示ダナプラス2mの21mのタナから50cm刻みで食わせの間を与えながら静かに落とし込んでいくとその瞬間は突然訪れる。
22mのタナでサオ先が一気に海中へと消し込まれると、緩く設定したリールのドラグの影響もあり、ミチイトが引き出されていく。タナが浅く、魚の引きもトルクがあるものの、サオを立てて、胴の弾力で魚の引きをいなしながら、徐々に間を詰めていく。ビシも無事に上がり、ハリスを手繰っていくと海面下にゆらりと赤い魚体。無事にタモ取りしてもらったのはノッコミ期特有の黒ずみが体色に表れた後検量1.6kgの本命であった。
何が正解なのかは、その日の状況によっても異なるのが、このコマセマダイ釣りの面白いところ。その後も同じ軽い仕掛けで釣り続けると、クロダイをまじえながらポツポツとマダイも追加。午後2時の沖上がり直前には当日最大となる2.1kgもゲットすることができました。

真鯛 吹き流しテーパーが大活躍
結果として、この日は軽い仕掛けで船長の指示通りの10mの仕掛けのセッティングが最適解であったが、釣り座や潮流。船の流し方や狙うポイントなどの状況によって重い仕掛け、軽い仕掛けを使い分けて、マダイに口を使わせるという答え合わせが求められるのがコマセマダイ釣り。「真鯛 吹き流しテーパー」仕掛けには、より仕掛けの重い2本バリ仕様も準備していますので、仕掛けの使い分けを駆使して、皆さんもノッコミ期のマダイに挑戦してみてはいかがでしょう。

真鯛の〈カンヌキ〉にガッチリ

ノッコミの本格期突入も秒読みです
タックルデータ
- ライン
-
道糸PE3号/ハリス3~4号
- エサ
-
コマセ・付けエサともオキアミ
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