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甦れ日本の魚

河川の汚染から伝統工芸を守れ

 兵庫県西脇市は、播州毛鉤の生産地として古くから知られています。江戸時代中期から培われてきた播州毛鉤は、実用品としてはもちろん、その美しさから伝統工芸品としての価値も広く知られています。
 その播州毛鉤が危機に瀕しています。最盛期には、昔からの技を受け継ぐ職人が約3000人もおり、まさに地元の一大産業でした。それが現在では伝統工芸士を含め、わずか16人に減ってしまったのです。
 その理由は需要の大幅な低下です。アユ釣りは、かつては毛鉤を使うのが一般的でした。しかし1960年代以降の川の洗剤汚染によって羽虫がいなくなり、アユの食生が変化。羽虫がエサであることを知らないアユは毛鉤では釣れなくなってしまったのです。
 右ページのグラフのように、合成洗剤の生産量の増加と毛鉤の生産量の減少が完全に「X字」を描いているのがわかります。
 播州毛鉤に限らず、川は私たちの暮らしと結びつき、様々な文化や産業を生んできました。環境破壊は、魚だけでなく永い時間をかけて育んできたそれら大切なものを、すべて奪ってしまうのです。

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